2008-01-01から1年間の記事一覧

ストリートビュー批判の「Google の中の人への手紙」の海外での反響

樋口 理さんのGoogle の中の人への手紙 (日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ)というエントリを英語に翻訳したGlobal Voicesの記事は、英語圏でも議論を巻き起こしました。このエントリでは、経緯も含めて、その議論の一部を翻訳して紹介したいと…

安心社会から信頼社会への移行をグーグルが強制している

日本教を語る上で欠かせない3冊 - アンカテという記事へのトラックバックで、関連するオススメ本をたくさん教えていただいた。 日本教にもっと奥まで切り込んだ4(+1)冊 - 赤の女王とお茶を Kousyoublog | 日本教の正体を炙り出す上で押さえておきたい17冊 Ko…

グーグルにNO!と言えるニッポン

Google の中の人への手紙 (日本のストリートビューが気持ち悪いと思うワケ) - higuchi.com blog でもね、この日本でのストリートビューは、僕は生理的にダメ。ここまで無邪気に踏み込んではいけないと思うのです。 きっと、セルリアンタワーの中の人も同じよ…

ストリートビューが僕らの街/国/星にやって来た

グーグルのストリートビューが日本でも公開されて、ちょっとした騒ぎになっているようだけど、まず「何で今?」と思った。これが公開されアメリカでスタートしたのは昨年の6月で、私はその時に「こりゃあ大変な時代になったもんだ」と思って、この記事を書い…

「世間」を破壊した事例としての羽生世代

将棋界がgenerativeであり続ける理由というエントリに、 たとえば、同じような頭脳ゲーム的分野である、数学や物理等の分野で大天才が出現したら、日本のアカデミックな世界は、そういう頭脳をここまで野放しにできるかどうか。本人は放置するしかないとして…

日本教を語る上で欠かせない3冊

日本教の政教分離と信教の自由という前のエントリで書いた「日本教」がどれくらい我々のふだんの生活を支配しているか、ということはなかなか理解しにくい。それをわかりやすく語ってくれるのが、山本七平氏、阿部謹也氏、井沢元彦氏の三人だ。この三氏の著…

日本教の政教分離と信教の自由

日本人は、「和」とか「空気」とか「世間」とか「ケガレ」という概念に支配されていて、自分でも意識しないうちにそういう概念に基いて行動するということはよく言われている。これらは合理的には説明のつかないもので、精神の深い所をかなり強固に縛ってい…

画面に触っているうちは本物のiPhoneではない

iPhoneはインターネットを換骨奪胎する。:アート資本主義 - CNET Japan これは自分の記事が引用されてるとは知らなくて、「なるほどなあ、電力システムの歴史との比較かあ」と感心しながら読んでいたら、途中から自分の記事が出てきてビックリしました。 た…

手軽なニュースフィードリーダー MODIPHI for iPhone

先週の金曜日に近所のソフトバンクショップのそばを通ったので、ふらっと入ってみたら、何とiPhoneの在庫があるというのでそのまま買ってしまいました。入荷直後だったらしく、店員さんに「お客様ラッキーですね」と言われました。まだたいして使ってないの…

ネットの重心とリアルの重心の中間

iPhoneの自由とオープンさは最上級でなくて常に比較級というエントリに書いたことはグーグルにもあてはまるような気がするので、それを一つの抽象的なモデルにしてみたいと思う。つまり、この両社の戦略は「ネットの重心とリアルの重心のちょうど真ん中」と…

iPhoneのAPIが次世代のHTMLでApp Storeが次世代のHTTPだ

インターネットとは、技術的に言えば世界規模で張り巡らされたIPネットワーク網のことだが、パソコンの「インターネット」というアイコンをクリックすると、Webブラウザというソフトが立ちあがる。IPネットワーク網が何であるか理解できるのはごく一部の人だ…

SoulHack #3 「葛藤」を財産として意識的に管理しよう

技術評論社のWebマガジン、エンジニアマインドのNO3.が公開されました。合わせて、私が連載させていただいている記事の第3回も公開されました。 エンジニアのためのSoulHacks:SoulHack #3 「葛藤」を財産として意識的に管理しよう | エンジニアマインド … …

iPhoneの自由とオープンさは最上級でなくて常に比較級

iPhoneがオープンで自由なプラットフォームであるかどうかということにはいろいろ議論がある。 フリーソフトウェア財団が説くiPhone 3Gを避けるべき5つの理由、あとオープンソース携帯電話の話 - YAMDAS現更新履歴 たとえば、ここで指摘されているようにFSF…

感情のアスリートとしての「驚き男」

葬式のとき親族に代わって盛大に泣きじゃくる「泣き女」という職業が世界各地にあったように、Apple 製品に関してはインターネット各地に「驚き男」みたいな役割を自任しているようなひとたちが居り、発表時期には彼らが盛大に驚いたり分析&展望芸を披露し…

新聞とは報道機関ではなく権力装置であると中の人は考えているらしい

天漢日乗: 毎日新聞の英文記事、主婦および看護師を始めとする医療従事者の怒りを買う(その34)毎日新聞社員(役職付)「黒幕をあぶり出してやる」と発言との噂 「同業他社が黒幕」「ちらしのトナーを分析すれば輪転機がわかる」と神発言 天漢日乗: 毎日新聞の…

借金することで生活をたて直し自信を持ったお母さんたちの国

題材も面白いけど、番組としてよくできている。おすすめです。バングラディッシュの首都ダッカで、グラミン銀行と同じマイクロクレジット(貧困者対象の無担保少額融資)を主たる事業としているブラック銀行(Brac Bank)の話。貧困解消の為の福祉事業であると同…

このブログは3の倍数でアホになって、ひろゆきが出てくるとツンデレになります

どうもこのブログは、三回に一回くらいアホなことを書いていて、特定のテーマになると犬のようにワンワン吠えたりするようです。しかし、3の倍数でアホになるからと言って、そこをはずして、「1,2,4,5,7....」とやったら芸にはなりません。ナベアツ…

公開できない「暗部」のある組織はもうもたない、でもそれだけのこと

新聞紙が売れなくなってしまって、 ネットメディアを収益の柱にしようとしていたのに、 ネットユーザーによって、売り上げを完全に止められてしまってるわけです。 しかも、これがいつ終わるのかというと、 誰も知らない。 誰に聞けばいいのかわからないし、…

将棋界がgenerativeであり続ける理由

21世紀型企業のモデルとしての日本将棋連盟というエントリにこんな意見がありました。 夜に猫が住む研究室 : 職人と団体と 日本将棋連盟にはいろいろな問題があって、とても組織運営のモデルにはならないという話です。「公益法人に対する法律改正」の件だけ…

21世紀型企業のモデルとしての日本将棋連盟

突然ですが、社団法人日本将棋連盟という組織は、これからの企業にとって一つのモデルケースとなるのではないかと思いました。それは、プロフェッショナルとスタッフという性質の違うメンバーが一つの目的の為に協力する組織ということです。日本将棋連盟に…

「分配と搾取の物語」の効用と限界

そういうことは自分がGoogle作ってから言えよバカ。お前の言っていることなんて、単なる自己満足だって見抜かれてんだよ!! - 消毒しましょ! この話は、価値を創造するシステムを軽視して、価値を分配するシステムにのみに目を向けた話だと思う。分配のシステ…

エンジニアのためのSoulHacks #2 GTDで仕事を自分の「テイスト」に染めてしまおう

少し告知が遅れましたが、技術評論社のWebマガジン、エンジニアマインドNo2が公開されました。私が連載させていただいている「エンジニアのためのSoulHacks」という記事も出ています。 エンジニアのためのSoulHacks:SoulHack #2 GTDで仕事を自分の「テイス…

「みんな力」でプロを雇うメディア -- Spot.Us

Spot.Usは、できたばかりの社会企業家系のスタートアップだ。 "Spot Us" is a nonprofit that allows an individual or group to take control of news in their community by sharing the cost (crowdfunding) to commission freelance journalists to writ…

『いい学校・いい会社・いい人生』という物語

今は新卒一括採用ゲームでの勝利が人材価値を保証しない。叩き上げで獲得した専門性が人材価値をもたらす時代だ。なのに教育界や親がいまだに『いい学校・いい会社・いい人生』である。教育界はこの「勘違い」で飯を食う利害当事者だし、親はかつての常識か…

自分の絶望が理解されないだろうという絶望

深い絶望を検知するそのソフトは赤木論文に反応するだろうか?というエントリで私が言いたかったのは、セキュリティ社会を構築するのに近道はないということです。それを示す為に、総務省の構想(とそれに期待してしまう一般の人の気分)は、結局、「絶望の検…

深い絶望を検知するそのソフトは赤木論文に反応するだろうか?

「インターネット上の犯罪予告を検知できるソフトウエア」という話には、何か根本的な違和感を感じるのだけど、強いてそれを言葉にすれば、ここで求められているのは「謀議」を検知するソフトなのか「絶望」を検知するソフトなのかということ。はっきりと凶…

予告.inをSaaSワールドの予告として見る

まず予告inについてのこの3つのエントリは必読。 予告inについて少し真面目に述べてみる : ロケスタ社長日記 デジモノに埋もれる日々: 総務省の「犯罪予告検知ソフト開発」の予算と「予告in」 - 対処は本当に可能なのか 犯行予告共有サイト「予告.in」が痛快…

二条河原のギーク達 -- 風刺としてのプログラミング

「ホッテントリメーカー」というプログラムが公開されています。たとえば、これに「アンカテについて書く」と入れると、 鳴かぬならやめてしまえアンカテ 114 users(推定) 22世紀のアンカテ 8 users(推定) ブルジョワがアンカテの息の根を完全に止めた 3…

英語書けなくてもGlobal Voices デビュー!

先日、id:gothedistanceさんのハイテクの日本がエンジニアを枯渇させているという記事をGlobal Voicesで紹介させていただきました。すぐに自分で日本語に翻訳したのですが、その後、さらにフランス語にも翻訳されました。 Global Voices Online >> Japan: Th…

可塑的アーキテクチャの中での倫理

たまたま秋葉原の通り魔事件に遭遇して、それをUStreamという無料の配信サービスで配信した人がいて、2000人の人がリアルタイムで見たらしい。 Recently - 秋葉原刺殺事件に遭遇して はてなブックマーク - Recently - 秋葉原刺殺事件に遭遇して 印象に残った…