日本教を語る上で欠かせない3冊
日本教の政教分離と信教の自由という前のエントリで書いた「日本教」がどれくらい我々のふだんの生活を支配しているか、ということはなかなか理解しにくい。それをわかりやすく語ってくれるのが、山本七平氏、阿部謹也氏、井沢元彦氏の三人だ。
この三氏の著作は必読と言ってもいいと思う。特に若い人にはお勧めしたい。「大人の世界」がどういうものかうまく言語化されていて、そこの一員になるにせよ距離を置くにせよ、仕組みや原理がわかると役に立つことが多い。
特にこれからは、それを相対化して、時に離脱したり破壊したりしなくてはいけないことも多いだろう。その時に、不十分でもいいから対象を言葉によって把握できることは重要だ。
そこで、それぞれ代表作を一冊づつあげてみた。
空気の研究
「空気」の研究 (文春文庫 (306‐3))
「世間」とは何か
「世間」とは何か (講談社現代新書)
逆説の日本史
逆説の日本史〈1〉古代黎明編―封印された「倭」の謎 (小学館文庫)
ついでに、この三人の方に影響されて書いたエントリをピックアップしてみた。
- 国際社会と世間 - アンカテ
- 信仰欲 - アンカテ
- 「空気」の研究 - アンカテ
- 実情と本心 - アンカテ
- 宗教がらみの日本人の非常識 - アンカテ
- パワーゲームは永田町で起こってるんじゃない、あなたの心の中で起こっているんだ! - アンカテ
- 「反日」としてのオウムとニート - アンカテ
- 内なる「日本教の宗教保守層」 - アンカテ
- 日中韓で自国文化の重層性のときほぐし競争をしましょう - アンカテ
- 2ちゃんねるは「言霊」の制約を受けない場である - アンカテ
- 利権団体重要、でもその前に「公」とは何かもう一度考えよう - アンカテ
- 聖俗と公私のよじれ - アンカテ
- 世界観について自己責任でセーフティネットがない国 - アンカテ
- 「オオヤケ」的階層化のYahooと「Public」でフラットなGoogle - アンカテ
- アルファブロガーは烏山宛の年賀状を出すか? -- 松永さんの社会復帰と「世間」への復帰 - アンカテ
- 鶏肉のカシューナッツ炒め - アンカテ
- 世間、社会、権力、そしてネット - アンカテ
- 山本七平マイブーム - アンカテ
- 共有するトラウマが相互理解の障害となっているという仮説 - アンカテ
- 「あれどうなっているかね?」で発動する何か - アンカテ
- 量子的自己の脱・世間と脱・社会 - アンカテ
余談だが、はてなブックマーク - 日本教の政教分離と信教の自由の「関連エントリー」に 「オオヤケ」的階層化のYahooと「Public」でフラットなGoogle - アンカテが出ていた。
確かに意味的には重要なつながりを持つエントリだが、人名やタームの共通点は少なく、プログラムがどうやってこれを選んだのか想像がつかない。これは凄いと思う。