2010-01-01から1年間の記事一覧

一斉同報送信からクラスタの時代へ

今年も、尖閣ビデオからtwitterによる不倫暴露まで、さまざまな「流出事件」が話題となったが、私が一番衝撃を受けたのは、警視庁の公案資料流出事件だ。 捜査関係者によると、警視庁には情報管理部門が管理して外部に接続していない庁内LANがあり、アク…

「圏外からのWeb未来観測」に大物ゲストが続々登場!

圏外からのWeb未来観測:第4回 ネットコミュニケーションのおもしろさに賭けた挑戦|gihyo.jp … 技術評論社 私が、Web+DB Press誌で連載している、「圏外からのWeb未来観測」ですが、第4回は、id:naoya こと、伊藤直也さんです。naoyaさんの転身については、…

中華7インチAndroidタブレット

最近、A81-Eという7インチAndroidタブレットを使っているんですが、これのおかげでiPhoneをいじる時間が減りました。 A81-E+G Cortex-A8,Android2.2Gセンサー搭載機|ドキドキ堂 私が買ったのは、ドキドキ堂さんが扱う前のGセンサーの無いバージョンで、某海…

景気と道徳と表現規制

景気がいいとか悪いという言葉はもう日常使う普通の言葉になっているが、よく考えてみると不思議なことである。戦争で工場が爆撃されたわけでもなく、冷害や干魃で田んぼがやられたわけでもないのに、20世紀初頭の大恐慌の時には、食うに困って生死の問題に…

「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」 -- 10代の子供に読ませたい本

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である何と言ってもこのタイトルが素晴しいと感じて、一刻も早く読みたいと思った。ありがたいことに、私はこの本の材料となったブロガーへのアンケートの回答者に選んでいただいていたので、すぐに、著者のいし…

ウィキリークス×スパム×酔っ払い運転

塩野七生のヴェネチアものを読むと、外交機密文書をネタにしている話がたくさん出てくる。当時のヴェネチアは、オスマントルコとバチカンという二大勢力にはさまれながら、経済力と海軍力に加え、緻密な外交戦略で、両者に対抗していた。各国駐在の大使が、…

マクロ情報セキュリティと猿のままでいることのコスト

人間の集団に起こることは、規模がある限度を超えると、制御することはもちろん、状態を把握することも難しくなるということは、たとえば経済に関しては一定のコンセンサスがあると思う。だから、不況に対して政府が何をすべきかということは、台風や地震の…

主夫でWebサイト自営という生き方

圏外からのWeb未来観測:第3回 主夫でWebサイト自営という生き方|gihyo.jp … 技術評論社 私が、Web+DB PRESS誌で連載している「圏外からのWeb未来観測」の第3回が gihyo.jp で公開されました。今回のゲストは、阿部昭敏君という非常にユニークな生き方を実…

CGMコンテンツという金鉱の脇でスコップを売る男

MacBook Airの発表を見てて印象に残ったのは、iLifeの方だった。特に、iMovieの「予告編ツクール」とでも呼びたくなる機能。映画の予告編のテンプレートみたいなものが用意されていて、そこに数秒程度のクリップをドラグドロップでハメこんでいくと、フルオ…

あなたと相互依存している大きな「私」

H.H. the Dalai Lama: The Ethics of Interdependence この短いインタビューの中で、ダライ・ラマはビックリするようなことを言っている。「今、世の中の倫理が乱れているのは、宗教的伝統から切り離されてしまったからでしょうか?」という質問に対し「それ…

重なりあうコミュニティの空気とパブリックな空間のルール

SIerというのは、もともと、特定の組織の中で使うコンピュータシステムを開発する会社だった。だから、SIerにとってのお客様は、システムのユーザではなくて、システムのオーナーだ。その原点から考えると、このプレスリリースが少しだけ理解できる。 弊社「…

librahack問題とホメオパシー問題はどちらも専門家コミュニティと社会とのコミュニケーションの問題

タイトルで言い尽くしてしまっているので、twitterに投稿した方がよかったかもしれないけど、構造に共通点があるように感じた。 専門家コミュニティ内部の議論としてはほぼ解決している問題 しかしその結論を社会全体の合意とすることができてない 感情的反…

圏外からのWeb未来観測第三回 -- 主夫でWebサイト自営という生き方

WEB+DB PRESS Vol.58WEB+DB PRESS Vol.58 に、「圏外からのWeb未来観測」第三回が掲載されています。今回は、主夫として家事と子育てを立派にこなしながら、みんなのシフト表というサイトを開発、運営している、阿部昭敏君と対談させてもらいました。阿部君…

「まとも」への解毒剤としてのウィルバー

ケン・ウィルバーとは何者かということをものすごく乱暴に言うと、「賢い宗教とは何か」ということを研究している人である。現代は、賢い科学とアホな宗教の支配する時代である。今の科学は随分賢いが、昔の科学は、占星術や錬金術のようなアホな科学だった…

インテグラル理論とグーグルとケータイ小説

(8/18 追記)引用した4象限の図を修正しました。詳しくは本文参照。(追記終わり) インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論今まで読んだどの本よりもこの本は、グーグルの限界について明確に語っている。と言っても、これはネットやビジネスについての本では…

戸籍とタイムライン

「消えた高齢者」問題に関して「医療保険や介護保険の利用履歴を調べれば簡単にわかるだろ」という意見をあちこちで目にした。その通りだと思う。ただ、現実には、この手のシステムはそういう柔軟性が無いことが多いので、意外に難しいかもしれない。コンピ…

踊るHTML5、あるいはセカイ系化する世界

私が、Web+DB PRESS誌で連載している「圏外からのWeb未来観測」の第二回が、gihyo.jpで公開されました。第二回のゲストは、「Webを支える技術」の著者である、山本陽平さんです。 圏外からのWeb未来観測:第2回 REST侍は国益に殉ずる覚悟を持っていた|gihyo…

一直線に目的に殺到するようなビジネススキルはもう流行らない

英語嫌いを作る方法 (内田樹の研究室) 自分なりに解釈すると、英語との出会いが、その人にとって英語とは何か、ということを決めてしまうということだと思う。そういう意味では全く同感である。私にとって英語との出会いはビートルズだった。レコードを買う…

実は飲食店は他が見習うべき先端の業種になってるのでは?

小さなお店のツイッター繁盛論 お客様との絆を生む140文字の力 外食チェーンは、個人経営のレストランや喫茶店が一般的であった時代に、そういう商売とは縁が無さそうな、工場の生産管理や大規模組織の運営ノウハウを、外食という領域に持ちこんで成立し…

The Globe Language

Flowing Rakuten, Fast Retailing Co., Ltd. was reported that they will use English as official Language in company. I see Many Japanese show strong opposition against this decision. I think there are very deep misunderstandings of what Mr. …

同床異夢ableでなければプラットフォームと言えない

プラットフォームとは、「同床異夢」という言葉の「同床」の床のことである。そこにのっかっている人たちが、それぞれ違う夢を見ることができてはじめて、それをプラットフォームと呼ぶことができる。そういう観点から見ると、次の発言はとても重要なことを…

ネットの管理は分散でいくべきじゃないだろうか?

ここ数日で、今後数年のネットを左右しそうなニュースが連続して来ている。 TwitterのつぶやきにMIDIや顔文字の埋め込みも可能に − @IT 【レポート】米Apple、「Concert Ticket +」による電子チケット販売で特許申請? (1) iPhone/Macを使った電子チケット販…

「圏外からのWeb未来観測」連載開始 -- 第一回ゲストはセカイカメラの井口さん

WEB+DB PRESS Vol.56このたび、WEB+DB PRESS誌で、「圏外からのWeb未来観測」と題した対談の連載をさせていただくことになりました。第一回目から、いきなり凄いゲストが登場します。 「哲人CEO」 -- エキゾチックな風貌でモバイルインターネットの未来像を…

河合隼雄がタクシーに乗ると運転手が身の上話を語り出す

こころと脳の対話河合隼雄さんと茂木健一郎さんの対談集であるこの本にこんな話が出てきます。 河合: ときどき起きるのは、僕の乗ったタクシーの運転手さんなんかが、むちゃくちゃに身の上話なんか始めるんですよ。 茂木: エーッ!そりゃおもしろい話ですね(…

新人技術者に贈るネットを理解する為の教科書5冊

皆さんが社会の中心になる15年後には、今存在しない会社が一位で、おそらく今存在しない業務をしている 先日公開したスピーチのメモのこの部分にたくさんの人から言及をいただきました。私もこれが、今から仕事をする人に一番強調しておくべきことではないか…

まだ見ぬプラットフォームに対するガバナンス

私がテレビを見なくなった理由のひとつは、CMが面白くなくなったからだ。逆に言えば、テレビを見てしまうのは、なんとなく流しっぱなしにしている所に飛びこんでくるCMの中に、すごく印象的なものがあったからだ。そういう素晴しいCMがあるから、番組が終わ…

本好きはこれを読んで祝杯をあげよう!

私は、本というものはシーケンシャルなテキストの形に収められた人間の精神そのものだと思っている。だから、本を読むということは、単なる情報の摂取ではなくて、一つの魂との出会いだと感じている。小説だけでなく、軽いエッセイ集でも実用書でも学術書で…

権力を分散して物事を進める仕組み

権力を分散することは簡単なことで、全ての要職を日替わりの当番制にすればいい。難しいのは、権力を分散して物事をきちんと進めていくことで、三権分立っていうのは、それができるから重要なこととされている。権力が集中するってことは恐しいことだけど、…

ビットが紙のフリをするのをやめた日

ipadでpc使い始めるお子さんはふつうのpcを糞だと思いそうですね うまいこと言った!とは思うけど、そうじゃないと思う。自動車のことを「四輪でエンジンがついた自転車」とは見ないように、生まれる時にもう既にiPadがあった人には、我々が使っているPCとiPa…

iPadとは直接触って動かせてしかもソーシャルにつながっている画面

新大陸に最初に到着した人は新大陸のことを何も知らなくて、そこがインドだと思っていて、そこに住んでいた人のことを「インディアン」と呼んでしまったんですね。コロンブスに共通一次試験を受けさせたら、地理と歴史は惨憺たる成績になることは確実です。…