1999-01-01から1年間の記事一覧

セブンイレブンのおでん

村上龍*がセブンイレブンの銀行業参入に触れてキャッシャーの脇に暖かいおでんを置くことを考えついた人はほとんど天才ではないかと、セブンイレブンに行くたびに思います。あのおでんの匂いと立ち上る湯気が作り出す「家庭的情緒」によって、つい犯罪を思い…

宗教がらみの日本人の非常識

「逆説の日本史6」が面白い。例えば、日本の僧侶は妻帯しているが、これを教義の中できちっと位置付けているのは親鸞(浄土信宗)だけだという。仏陀はもちろん、インド、中国、日本にあまた現れた、偉い坊さんの中で、「SEXしてもいいよ」と言った人は他にな…

ハードからくる制約と組織からくる制約

ソフトを作るのに、ハードからくる制約と組織からくる制約がある。ハードの制約は、小さなマシンで問題になる。例えば、アドレス帳やらスケジュールなどのPDAのプログラムなんて実に単純なものだ。適当な簡易言語を使えば、初心者の練習用にちょうどいいくら…

星新一の毒

星新一の古いショートショートを読んでいたら、こんな話があった。若くして両親に死なれ、苦学して大学を出たものの、運に恵まれず職を失い死ぬことを考えていた主人公が、突然、未来の世界につれていかれた。何をさせられるのかと思うと、「苦労話を聞かせ…

ブレーキのきかない技術、ブレーキのきかない組織

突然だけど、車にアクセルは必須のものだろうか。アクセルなんてものは、全開の状態で固定しておいたってかまわない。ブレーキを踏み込んでエンジンをかけて、少しずつブレーキを離す。そして、走り出したら、スピードをあげたい時にはブレーキを離し、さげ…

GPLを認められない人種

Linux Magazine12月号の「隠喩としてのコンピュータ」というコラムに「ストールマンの主張する自由にわかりにくさがあるとすれば、つきつめれば、自由を前提とするコミュニティがわかりにくいからだろう」という鋭い分析が出ていた。例えば、RADICAに書かれ…

つんくと亀井静香の共通点

両者ともキワモノ的でドンクサイイメージが強いが、実は非常に繊細で頭がいい しかし、その才能は日本人の悪い所に非常に敏感に反応するようにできている 天下とってほしくないけど、とりそうだ 「つんくか小室か」「亀井か加藤紘一か」どちらも非常に不毛な…

読書ノート:「社長失格」板倉雄一郎

ハイパーネットという広告収入による無料プロバイダー事業を立ち上げ、それを倒産させてしまった人の赤裸々なドキュメントである。どちらかというと、いわゆるビジネスものとして多少なりとも仕事の参考になれば、というつもりで読み始めたのだが、とんでも…

ぬるい

Japan Mail Mediaは基本的には経済のメールマガジンである。学者からみたら通俗的なのかもしれないが、頭の痛くなるような難しい話が毎週ぎっしりつまっている。しかし、*村上龍*が編集長だけあって、たまにこんな面白い文章が出てくる。痴漢が多いのは日本…

読書ノート:「日本の大チャンス」ピーター・タスカ

ピーター・タスカは経済を市場と政治のぶつかりあいという視点で語る。例えば、インターネット書店のアマゾンドットコム。これによって、消費者は今までよりはるかに安く本を買えるようになった。単に安くなったわけではなく、そのへんの小さな本屋で買えな…

ユースケ・サンタマリア

夢にユースケ・サンタマリアが出てきた。私は芸能人が夢に出てくることはほとんどない。珍しいことなので、何か意味があるかもしれない。ちょっと気になった。自分では、これはユング心理学でいうシャドウではないか、と解釈した。自分の影の一面、生きられ…

アルティミシア城顛末記

うちの奥さんは、ちょっとしたこころのトラブルを抱えていて、外出することが困難である。従って、レジャーというとテレビ、ビデオの類しかない。マンネリも極まるので、あまり好きでなかったテレビゲームもやるようになった。しかし、自分でやるのはアクシ…

情報フィルタリング能力

「情報フィルタリング能力」というキーワードを思いついた。検索エンジンを利用する時も、掲示板やメーリングリストの議論を追っかける時も、たくさんのゴミの中で光るものをみつけなくてはいけない。タイトル、ハンドル、最初の2〜3行だけで、その情報の…

オープンソースジャーナリズム

東芝サポート問題は、「*オープンソース*ジャーナリズム」というものが存在し得ることを示した。言葉を変えれば「多くの目玉があればデマなんて恐くない」ということだ。ジャーナリズムにもソフトと同じように、工程というものが存在する。まず、関係者の取…

簡単に結論の出ない問題

読売新聞によるとハリウッドで「フランダースの犬」の実写版が作られるそうだが、この映画なんと結末が2とおりあるそうだ。原作どおりネロが凍死してしまうバージョンと、最後に助かり父親とも再開するバージョンができていて、各国の配給会社がどちらかを…

トンネル崩落とスペースシャトル

7/7の多事争論に面白い問題提起がある。なぜ、東海道新幹線でなく後からできた山陽新幹線でトンネル崩落の事故が起きたのか?同じことが、アポロ計画とスペースシャトルにも言える。アポロの方が先行していて、ずっと難しいことをやっている。それなのに爆発…

オカルトは初恋の味?

いよいよ1999年7の月だが、私はノストラダムスについていつも思っていることがある。ノストラダムスの「諸世紀」は詩である。それも比喩や音韻などを駆使した非常に文学的な詩である。日本で言ったら、万葉集とか古今集とかそういうものである。ノスト…

マーブルケーキ

うちの奥さんが「今、自分はマーブルケーキ」と言った。2つの自分が中途半端に交じり合っていてすごく不安定で苦しいと。彼女には「自分のことを忘れて他人のためだけに生きる」モードと「他人から逃げて殻に閉じこもる」モードがあって、切り替えながら生…

宮台真司

「正直である」ということは最も基本的な道徳のひとつだと思う。私はプログラミングという自分の商売の中でこれを実感している。正直な技術が結局伸びる技術である。ただ「正直」という時に、現実をちゃんとあるがままに先入観無しに見る、ということと、自…

遠い親戚の通夜

遠い親戚(従姉妹のダンナの母親)が亡くなってお通夜に行ってきた。従姉妹と言ってもかなり年の離れた人で、学生の時に下宿させてもらっていたこともある。世話にはなってるけど縁が遠すぎるので、行くべきかどうか迷ったけど、連絡が来たのでとりあえず行…

資本主義V2.0

ホットワイアードに業界人の交換日記というコーナーがあって、田口ランディ*さんの名前に引っ張られて読んでみたら、他の2人のも面白かった。特に、松山大河という人が面白いことを言っていた。「Linuxを作ったリナス・トーバルズのように『利潤の最大化』…

ところでラグナって何者

今更ながらFF8をはじめる。バトルシステムの複雑さに驚いた。ジャンクションやらアビリティやら何がなんやらわからない。300万本だか売れたそうだが、みんなこれを理解したのだろうか。 1万円近いものをこの本数売ったことももちろんすごいが、これだけの…

サンデーモーニング

サンデーモーニングに大江健三郎が出ていた。私は随分前は「サンデーモーニング」と「知ってるつもり」を毎週欠かさず見ていたが、いつの頃からかどちらもほとんど見なくなった。裏番組を見るようになったこともあるが、何となく関口宏に漠然とした不信感の…

無料パソコン

日本でも無料パソコンが登場したが、アメリカでは199ドルパソコンが出るそうだ。これは199ドルと言っても、無料パソコンよりもっとラディカルで「ハードウエアのみで収益を上げる」そうだ。これまでの無料パソコンは、日米ともパソコン本体はタダでも、広告…

エリック・レイモンドのインタビュー

HotWiredにエリック・レイモンドのインタビューが出ていた。いろいろ面白いところはあるが、ストールマンとの考え方の違いについて述べている所で、彼の*オープンソース*についての考え方がよくわかる。乱暴に要約しちゃうと、ストールマン:「フリーな社会…

学級会民主主義批判

ほぼ日刊イトイ新聞というところで、糸井さんとマリオを作った宮本さんとポケモンスナップを作った岩田さんという豪華な座談会があった。「学級会民主主義批判」とでも言うべき話題で盛り上がっているところが面白い。リーダーがものを決めないのはうまくい…

学区解放

文部省の研究開発校に公募型という記事によると、来年度から公立の小中学校でも、学区外の学校に通えることになるそうだ。研究なんとか校という本題より、例外的とはいえ学区外からの通学を許可するというのは画期的だ。住所により通う学校が自動的に決まる…

「新しいシャツ」を巡って

「一番好きなのはこれとこれとこれ」という言い方には、どうもひっかかってしまう。「一番」という限りは、その対象は一つだけでなければおかしいと思うのだ。「一番」がたくさんあって並べ立てるならば、その中のどれかが本当の一番で、他のものは「一番」…

吉本ばななの書評

吉本ばなな*が読売新聞で「スプートニクの恋人」のことを書いている。私はまだこれを読まずにがんばっているのだが、これにもそそられることが書いてあった。「やるせない物語だけど健康的」「健康的と言っても薄っぺらいものではない」という表現。これがす…

フィジカル・インテンシティ

村上龍*のサッカーについてのエッセイ集を読んだ。内容はまぎれもなくサッカーについてのエッセイなのだが、同時に日本文化論になっていて、日本の閉鎖性をあぶりだす、さらにワールドカップ間戦記の合間にイタリアについて書くと、人生とは快楽とは・・・・…