英語書けなくてもGlobal Voices デビュー!
先日、id:gothedistanceさんのハイテクの日本がエンジニアを枯渇させているという記事をGlobal Voicesで紹介させていただきました。すぐに自分で日本語に翻訳したのですが、その後、さらにフランス語にも翻訳されました。
これが何と!、執筆者として私の名前でクレジットされているので、経緯を簡単に説明しておきます。
GlobalVoicesの中の人に会って来ましたというエントリに書いた通り、現在、redmineを使って、ネタ収集→翻訳→レビューという一連の作業を、他のボランティアの方と一緒に行っています。基本的には、チケット管理の機能を掲示板として使い、掲示板+Wikiという形で使用しています。システム的にはまだまだ課題が多く試行錯誤の段階ですが、それなりに回り始めています。
これまで、このシステムから他に以下の記事を公開しています。(これ全部、元記事は面白いものばかりだと思います)
- Global Voices Online ? Japan: Grumpy Jiisan on Nico Nico Douga(元記事はたけくまメモ : アリゾナの老人萌え)
- Global Voices Online ? Japan: The Secret of Mizuki Shigeru(元記事はどうしてここまで『ゲゲゲの鬼太郎』は人気があるんだろう - 風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る)
- Global Voices Online ? Japan: Mixi and Anonymity(元記事はメカAG - mixiの実名文化を壊した本当の敵)
- Global Voices Online ? Japan: Popularity of Q&A services(元記事は日本人はWikipediaやFAQ好きか - latticeの世間話と「PV は伸びるものだという常識が通用しなくなっている」―ネットレイティングス萩原氏 - japan.internet.com Webマーケティング)
- Global Voices Online ? Japan: Bloggers on Akihabara knife rampage
基本的には私を含む日本人のボランティアの方が、「こんなのどう?」という感じでネタを投稿して、その中から、サルツバーグさんと鴇田さんが面白そうなものを選んで翻訳していく、同時に、追加情報、関連情報を皆で調べて持ち寄る、という感じで進めています。
ただ、冒頭に紹介したgothedistanceさんの記事に関しては、自分が関連する分野だし凄く思い入れもあったので、池田信夫さんの人材鎖国というエントリを始めとして、あちこちからネタを集めて、引用部分の抜き出しや構成、背景説明等、いろいろ私の方でやりました。
地の文はほとんどサルツバーグさんが書いているし、もちろん翻訳も彼が行っているので、実質的には二人で作ったものなのですが、サルツバーグさんの意向もあって、自分の名前で公開されることになってしまいました。
というわけで、ロクに英語も書けない私が*1Global Voices の Author(執筆者)に混ぜていただけることになりました。
私としては、redmineのようなチケット管理システムが、技術者でない方との共同作業にどこまで使えるものか試してみたくて始めたことで、裏方としてシステムの運用を主体にやっていくつもりだったのですが、嬉しい誤算という感じです。
それとあの記事は、元ネタがすごく意義ある指摘だということには確信がありますが、翻訳するには一つ問題があります。それは、多重下請けという日本のIT産業独特の業務形態を説明しないと理解されない部分が多いということです。
その点については、サルツバーグさんも私も背景説明が充分とは言えない(けどこれ以上長くしたら余計趣旨がわかりにくくなるから仕方ない)という認識だったのですが、フランス語担当の方が翻訳されたということで、少くとも興味を持ってくれた人がいるということで、ある意味安心しています。
それで実感したのですが、各国語のAuthorが自分の判断で翻訳するというGlobal Voices独特の仕組みは、一種のフィードバックとしても有効だと思います。
もちろん、どういう理解、意図で翻訳しているのかはわからないですが、二つ以上の言語、文化を深く理解している人がそれなりの労力をかける価値があると判断したという意味になりますから。
私は、機械翻訳という技術については否定的な見方をしていますが、こういう形のコラボレーションによって、言語の壁を超えるコミュニケーションが活発になるということには昔から確信を持っていました。Global Voicesは、wordpressをかなり拡張して、多言語コンテンツ用の大規模なブログとして、なかなかうまく使っているようです。redmineやWikiも含めて、こういうインフラが整備されてくれば、自然とつながってくる部分がたくさんあると思います。
なお、日本語版制作チームのコラボレーションとしては、当面は、ネタ提供→一括翻訳(英語で元記事作成)の流れを中心にやっていこうと思います。そのパターンだと英語が全くできなくても問題ないので、ボランティア希望の方は、tnaka(at)dc4.so-net.ne.jpまでどうぞ。
もちろん「essa程度でAuthorになれるなら自分だって」と思われる方も大感激です。日本語で元記事を執筆するというパターンには、いろいろ課題もありますが、これも徐々に増やしていこうと思います。後、英日翻訳を分担してみんなで少しづつやるというパターンもこれから作っていく予定です。
一日一チベットリンク→チベット方面情報 - セカンド・カップ はてな店
*1:昔、自分の英語力をチューヤンの日本語のレベルと評したことがあって、これは我ながらなかなかうまい言い方だと思いました。今で言ったらボビー・オロゴンですね。まあ、ボビーにしてもチューヤンにしても、見方によってはコミュニケーションの達人ですから、実際ははるかに下なんですが