まだ見ぬプラットフォームに対するガバナンス

私がテレビを見なくなった理由のひとつは、CMが面白くなくなったからだ。逆に言えば、テレビを見てしまうのは、なんとなく流しっぱなしにしている所に飛びこんでくるCMの中に、すごく印象的なものがあったからだ。そういう素晴しいCMがあるから、番組が終わ…

本好きはこれを読んで祝杯をあげよう!

私は、本というものはシーケンシャルなテキストの形に収められた人間の精神そのものだと思っている。だから、本を読むということは、単なる情報の摂取ではなくて、一つの魂との出会いだと感じている。小説だけでなく、軽いエッセイ集でも実用書でも学術書で…

権力を分散して物事を進める仕組み

権力を分散することは簡単なことで、全ての要職を日替わりの当番制にすればいい。難しいのは、権力を分散して物事をきちんと進めていくことで、三権分立っていうのは、それができるから重要なこととされている。権力が集中するってことは恐しいことだけど、…

ビットが紙のフリをするのをやめた日

ipadでpc使い始めるお子さんはふつうのpcを糞だと思いそうですね うまいこと言った!とは思うけど、そうじゃないと思う。自動車のことを「四輪でエンジンがついた自転車」とは見ないように、生まれる時にもう既にiPadがあった人には、我々が使っているPCとiPa…

iPadとは直接触って動かせてしかもソーシャルにつながっている画面

新大陸に最初に到着した人は新大陸のことを何も知らなくて、そこがインドだと思っていて、そこに住んでいた人のことを「インディアン」と呼んでしまったんですね。コロンブスに共通一次試験を受けさせたら、地理と歴史は惨憺たる成績になることは確実です。…

「弱い合意」の社会的機能

内田樹さんが、マスメディアの凋落というエントリで、新聞はインターネットに負けたのではなく自爆したのだ、という話を書いている。 新聞の凋落は、その知的な劣化がもたらしたものである。 きびしい言い方だけれど、そう言わざるを得ない。 新聞記事の書き…

新社会人は新しい「社会人」を再構築しよう!

今日(4/1)、私は勤務先の入社式でスピーチをすることになっているんですが、何を話すかについてメモを作ったので、ここで公開してしまいます。エイプリルフールと間違えられるといけないので、3/31の日付で投稿しました。これから、このメモをポストして会場…

「非中心化」を目前にしてプロが共通に錯覚すること

電子出版に関する議論を見てると、10年前のLinuxを思い出す。Linuxを思い出すというより、Linuxを見ていた当時の自分のものの見方を思い出す。当時のLinuxは、手軽なWebサーバや個人用の安価なUNIXワークステーションとしては、充分使えそうだという評価はほ…

Webはまだじゅうろくだ〜から〜

えー、例によって固い話になるので、まずは、ガッキーの声で脳内再生してリラックスしてください。 Webはまだ〜♪じゅうろくだ〜から〜〜♪ 1994年に、ジム・クラークとMosaic開発者らによりモザイク・コミュニケーションズが設立されてから16年間、ブラウザか…

「序列」信仰とスモールワールドネットワーク

Here Comes Everybody: How Change Happens when People Come Togetherこの本の9章で、著者のクレイ・シャーキーは、ネットの中で人々はこんな感じでつながるという話をしている。この図は、スモールワールドネットワークという理論に基くものだが、ポイント…

ウサギとカメと生成力

ウサギさんのように、ピョーンとトップに踊り出たかと思うと昼寝してて抜かされちゃうトレンドが多いので、誰がカメさんなのかを見極めることが重要だと思います。「ムーアの法則」は間違いなくカメさんで、この人は絶対にサボらないで着実に前進します。た…

「詰みがある」という情報の使い方

今のうちに宣言しておくがもしブロガー将棋大会なんてものが行なわれるとしても私は絶対に出ない。もし出て自分の棋譜がネット上に晒されたら、もう恥ずかしくて二度と将棋のことを書くことができなくなってしまう。それくらいヘボなので絶対に出ないよ。で…

リアルの加速化からバーチャルのリアル化へ

最初、印刷は筆写を加速したものに過ぎなかったけど、たくさんの印刷物が行き交うようになると、それが公共圏となり最終的に国民国家を生んだ。国民国家の中核には言論によって維持される「民族」という幻想があって、それは言論のプラットフォームが無いと…

iPadとiPhoneのテイストの中にある絶対性

iPhoneで一番ビックリしたのは、コピペが出来なかったことだ。iPhoneが日本で最初に発売された時にはコピーペーストの機能が無かった。できないわけはないしプログラマが考えないはずも無いので、絶対、開発中にそれを作った中の人がいたと思う。その人は、…

「ブラックスワン」書評

簡単に言えば、ビル・ゲイツと小錦の違いについての本である。ほとんどの人は、ビル・ゲイツのような金持ちも小錦のように太っている人も知りあいの中にはいないだろう。世界の大富豪長者番付というページによると、ゲイツの総資産は5兆1260億円で、こ…

おまえらいい加減にせんと無検閲のgoogle.com見せちゃうぞ!

「グーグルが中国から撤退か?」というニュースが話題となっているが、もしそうなった場合、グーグルと中国政府の間で、熾烈な情報戦が始まることになるだろう。しかし、この情報戦は普通と違う。普通は情報戦と言ったら、互いに相手に自分の持つ情報を見せ…

「チンポジ」によるM1破壊

「笑い飯」またも悲願のVには届かずということですが.... 笑い飯は「記録」より「記憶」に残る漫才をしたかったんだよ 眠たくて目を閉じる。「チンポジ」最中、審査員の『あーあーあー解るけど、ソレは無理』って苦笑を思い出して涙出る。だってみんな感じ…

原油高と同じくらい深刻な「ホワイトカラーの仕事破壊」

日本人は海外からやってくる危機には敏感に反応する。原油高とか円高とか新型インフルエンザとかはよく報道されるし、政府の対策が不適切だったら批判も高まる。私は「成長戦略」として語られている問題も本来は、そういう種類の問題だと思う。しかし「成長…

「情報共有」と「コントロール」の複眼思考

湯川鶴章のIT潮流 powered by ココログ: あなたが知らないGoogleの10の事実=やはりTwitterを買収しようとしていたという記事に驚くべきことが書かれていた。 (4)Page氏とBrin氏ともに秘書がいない これだけ大きな会社になったのに、それでも秘書を置か…

複利で効くイノベーションの中で生きるということ

今日アマゾンで本を注文すると、明日かあさってにはそれが読めるのは、どちらかと言えばアマゾンのおかげというより佐川急便やヤマト運輸のおかげだと私は思う。つまり、単発の発明品として私たちの生活に影響を及ぼしている度合いを考えると、ネットより自…

危機に直面した組織は固くなる、ハードランディングは避けられない、「友愛」の相手が組織か個人かが問われている

民主党が記者会見を開放するという公約を破っている。関連記事を集めようと思ったら、宮台さんが既にやっていた。 民主党の重大な「公約破り」はじまる 許すまじ! - MIYADAI.com Blog 下のエントリーに追加します。上杉さんの論説ほか。 - MIYADAI.com Blog…

アテンションとエコノミーの間

お金とは、「シェアできない」という性質に注目して食べ物を抽象化したシステムではないかと思う。「システム」と言うとコンピュータを使ったものを思い浮かべてしまう人が多いが、コンピュータがなくても機能しているシステムはたくさんある。オフィスの机…

twitterと同じようにたくさんの人を収容できる i-vote プロジェクト

次の選挙で一番重要なことは、投票率、特に若い世代の投票率がどれだけ上がるかだと思う。もし、投票率にはっきりとした変化が見られたら、国会議員はそれに強く意識する。逆に言えば、それ以外に、当選後の議員を縛るものは無い。国会議員は当選さえしてし…

Google OS が画期的なOSにならない7つの理由

Google OS は「画期的に速いOS」にはなるかもしれないが「画期的なOS」にはならない。つまり、ユーザから見えるOSの姿に、画期的な新機軸が入ることは無いだろう。そう思う理由は以下の通り。 1 GoogleはAppleではない UIの革新はトップダウンでなければでき…

メーカーがマイクロソフト八分を恐れる必要が無くなった日

Google OS なんてぜんぜん大したもんじゃない。んなものはワシだって簡単に作れるわい。というか、わざわざ作らなくても、それはもうある。DellかなんかのネットブックのLinuxプリインストール版を買って来て、画面に出てくるロゴがGoogleのロゴになっている…

成果が永遠にみんなのものであり続ける仕組みも含めてオープンソースという言葉を使おう

オープンソースという言葉がソフトウエア以外の分野に広まることで、良いことと悪いことがひとつづつある。 非組織的で自発的なコラボレーションの有効性が一般に広く認識され市民権を得る オープンソースでないソフトウエアがオープンソースと呼ばれてしま…

Google Wave について知りたければまずこれを読め!

qwik を思い出してあげてください。。。 http://qwik.jp/ Google Waveのことを書いた記事にこんなコメントをいただいて、「やっぱりそう来るか!」と思いました。あの記事を書きながら、qwik.jpの先進性を実感させられて、この話を記事に入れようと思っていた…

「アジャイルな見積りと計画づくり」書評 -- 顧客を黙らせる為の見積りではなく喋らせる為の見積り

翻訳者の角谷さんより献本をいただきました。ありがとうございます。アマゾンに以下のレビューを投稿したのですが、なぜか1ヶ月以上待っても表に出てこないので、こちらに出します。 アジャイルな見積りと計画づくり ~価値あるソフトウェアを育てる概念と技…

最高クラスの「荒らし」としての梅田望夫

梅田さんのインタビューがすごい反響を巻き起こしているが、この喚起力は梅田さんの立ち位置と切り離せないものがあると思う。つまり、普通の40代後半のおじさんが全く同じことを言っても、ここまで騒がれることは無いだろう。発言の中身そのものは、意味が…

名刺にメールアドレスではなくWaveアドレスを書く時代がすぐそこに?

Wikiを更地から再構築したら Google Waveはいろいろな顔を持っていて、これが何であるかについていろいろな意見が出ると思うが、私は、まずは「更地から再構築したWiki」であると見るべきだと思う。つまり、「一つの文書を複数の人が共同で編集する」という…