twitterと同じようにたくさんの人を収容できる i-vote プロジェクト

次の選挙で一番重要なことは、投票率、特に若い世代の投票率がどれだけ上がるかだと思う。

もし、投票率にはっきりとした変化が見られたら、国会議員はそれに強く意識する。逆に言えば、それ以外に、当選後の議員を縛るものは無い。

国会議員は当選さえしてしまえば何でもありで、選挙活動中に喋ったことと無関係に好きなことができる。特に今度の選挙の後は、何が起こるか予想できない。だからこそ投票率を上昇させて、本当の世論を意識させておくことは重要だ。

若い人がもっと普通に選挙に行くようになれば、政治家のやることは間違いなく変わるだろう。たとえ、今の政治家に期待できないとしても、選挙には行った方がいいと思う。

そこで、選挙期間中、このブログのサイドバーから、この運動のページへのリンクを貼ることにした。

私がこれがいいと思うのは、二つ理由がある。

一つは、これが「若者の投票率向上」というシンプルな目標をかかげ、それに徹していることだ。このことは、これからの政治活動において重要なポイントになると思う。

今の世の中は複雑で、生活空間も考え方も仕事も生き方も細分化している。だから、たくさんの人の参加を求める運動は複雑になりがちだ。特に、政党は多くの支援団体との関係で複雑化して、どこへ行こうとしているのか全くわからない、わけがわからないものになっている。

人々の求めるものが多様化して複雑になったから当然なのかもしれないが、逆に、複雑な時代だからこそシンプルさが重要になるとも言える。

ネットの世界では、一時期、ポータルサイトというものが注目を浴びた。誰もがネットを見る時に最初に見るサイトとなることを目指していて、自然、どれもが、たくさんの情報を集めた複雑なサイトになっていた。

しかし、実際に、今世界的に大ブレークしているのは、twitterというこれ以上は無いというくらいシンプルなサイトだ。

twitterはシンプルである。シンプルだからこそ、たくさんの人が、それぞれ全く違う使い方でtwitterを利用する。シンプルだからこそ、たくさんの人の多様なニーズを収容できて、多方面から同時多発的にブレークした。

i-voteも目標と方針がシンプルだから誰にとっても乗りやすい。

でも、「若者の投票率」は、いろいろな政治課題とリンクしている。年金問題も格差の問題も景気の問題も外交問題も、全部それに関わっている。

世の中の複雑さを収容できるのは、twitterやi-voteのような誰でも乗れるシンプルさだ。

もうひとつのポイントは、これが、「自分へのリマインダーメール」を送るということだ。このサイトに登録しておくと、投票日かその前日に、登録した自分のメールアドレスにリマインダーメールが送られる。

政治とは、今の自分が未来の自分にコミットすることだと思う。

若者の投票率向上が重要だと私が思う理由は、「若者だったら正しい判断ができる」と思うからではない。今我々が行なおうとしている政治的決断の結果、大きく変化しようとしているこの国で、これから長く生きるのが若者だからだ。

それがどうなろうとも、自分が投票に行っていれば、納得感が違うと思うのだ。

投票に行くのは、政治を変えたり世の中を変える為ではない。その結果に自分で納得する為に投票に行くのだ。

もちろん政治活動や社会運動では、客観的な結果を残し世の中を変えることも重要だ。だが、それと同時に、自分がその時何にコミットしていたのかを未来の自分にハッキリわからせることも同じくらい重要だ。

今の世の中は、独善や自惚れの危険性は少ない。自分の位置や影響力を客観的に知ることが昔よりずっと容易だからだ。独善的な人は増えていると思うが、それは客観的な情報が欠けているからではなくて、客観性に押しつぶされかかっているからである。

客観性の調達に苦労することはなくて、むしろ、客観性に対抗できる知恵の方が不足している。

たぶん、この記事を読んでおおよその趣旨に同意してくれる人でも、「世代別投票率は重要かもしれないが、自分一人が投票に行ったってそれが変わることはない」と考える人が多いだろう。

それは客観的な事実だと思うけど、それだけを自分の行動基準にすることは、バランスを欠いていると私は思う。

納得できる人生の為には、何かにコミットすることが必要で、コミットと客観性のバランスを慎重に計る必要がある。時には、意識的に客観性を度外視してコミットすることが必要なこともある。あふれかえる客観的な事実のみに振り回されていて、何にもコミットしないという生き方は乱暴すぎると思う。

「その点についてもっと慎重に考えろ」と、私は若い人たちに言いたいと常々思っていた。

そういう意味で、「自分へのリマインダーメール」というのは本質的なポイントをよくついているように感じた。「自分は投票に行く」ということに今の自分がコミットし、それを未来の自分に知らせるのである。そして、2009年のあの選挙で自分は誰に投票したということをさらに未来の自分に知らせるのである。

同プロジェクトによると、2007年の20代の投票率は約37%だそうだ。もし、これが変わらなかったとしても、自分が37%の側にいたのか残り63%の側にいたのか、その事実は決定的に重要で、それはあなたの人生を左右するかもしれない。


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