「ビデオ子育て問題」被害者は母親

テレビ見過ぎの子、言葉の発達に遅れ 小児科学会が調査というこの問題、確かに大問題だと思いますが、


テレビの情報は一方通行になりがち。0歳〜2歳は脳が大きく発達する時期でもあり、長時間見せるのは、発達面で問題だ

というようなセリフを自分の奥さんに言って、それで終わりにしてしまう父親がいたらまずいなと思います。自分も割とそういう感じだったから、そういう男が多いような気がしちゃうんですね。この研究が母親を追いこむ為のロジックに使われるような気がしてそれが心配です。

北沢かえるさんの続報では、

  • 0〜2歳の乳児が
  • ひとりだけで
  • 家族からの語りかけなどがなく
  • 同じような映像を
  • 1日何時間も見る

など重なるとよくない、という現場の声が書かれていますが、母親が、こういう子育てをせざるを得ない異常な状況に追いこまれていると見るべきだと思います。むしろケースによっては、ビデオによって生じるわずかな息抜きによって、まだなんとか子育てができているということもありえるでしょう。

だから、状況を全体的に見ないで「ビデオ子育てやめろ」とだけ言うことは、もっと危機的な事態のトリガーを引くことになりかねない。「認知能力と思考能力に問題」が残ったって、生き残れば取り返しがつくこともあります。

要するに、「加害者が母親、被害者は子供」という見方では解決しない。正しいのかもしれないけど問題は解決しない。「直接の被害者は母親で子供がとばっちりをくっている」という見方で、本当の加害者を探さないと前進はしないと思います。

なお、毎日の記事では


ただ、母親の心構えの問題に集約されると、孤独な状況で子育てをする母親はつらい。社会が母親の孤立を減らす努力をしなければならない。

という汐見稔幸・東京大教授のコメントがありました。