冷たい怒りと抑圧移譲

冷たい怒りが丸山真男の「抑圧移譲」とどう違うのか？というコメントをいただきました。

丸山真男は読んでないので、ネットで検索してみました。これというページは見つからなかったのですが、なんとなくわかった感じがするので、答えてみます。

まず、共通点は、どちらも「上位者から受けた抑圧に対する自覚のない病理的な反応」であることと、その反感が言い出しっぺの上位者に向かわないで他に向かうことだと思います。

違いは、抑圧移譲では、その向く先が下位の者であるのに対して、冷たい怒りでは、その向く先が同等の者や場合によっては別の上位の者に行くという点だと思います。また、制度変更への攻撃であることから、少なくとも表面的には、人ではなく制度を問題にしているように見えるということではないでしょうか。

その結果、抑圧移譲より冷たい怒りの方が見えにくくなり、深刻な問題が潜行しやすいということが言えるかもしれません。