韓国の386世代

親日派のための弁明の著者の金完燮氏が、SAPIO(7/23)に「386世代の対北シンパシー」という記事を書いている。ARTIFACT −人工事実− 韓国の対北朝鮮感情も同じテーマ。韓国の太陽政策がここまで支持を得ることが謎だったが、「386世代」というキーワードでかなりわかってきた。

386世代とは学生時代に韓国の軍事政権と対立した人たちを指している。彼らが命がけで戦っていた目の前の敵が、独裁者である全斗煥大統領であって、敵の敵である北朝鮮にはシンパシーを持っていたそうだ。感情的な連帯感だけでなく、実際に全大統領暗殺未遂事件も起こしたりしていたので、軍事政権を倒すという目標も共有していたことになる。

逆に全政権の味方であったのがアメリカと日本で、反米、反日意識のひとつのルーツがここにある。北側のスパイが、巧妙に非合法活動の中に入りこんで操作していたのかもしれないが、学生運動の弾圧をしていた政権に日米両国が経済、軍事的に協力していたのは事実である。

彼らの上の世代は朝鮮戦争をリアルタイムで経験しているので、親米で北朝鮮に対する敵意が強い。これにネットへの習熟度がからんで、複雑で深刻な世代間の対立があるようだ。当然のことだが、韓国も一枚岩ではないのだ。

完全に納得、同意できるわけではないが、このように説明されると、彼らの気持ちがかなり理解できてくるような気がする。マスコミはこの重要なキーワードについて報道しているのだろうか?