社説REMIX

7月26日付・読売社説(2) : [NHK特番問題]「説得力に乏しい朝日の『検証』」


記事を読む限り、朝日報道の真実性を補完するような新事実は、ほとんど示されなかった、と言うしかない。1月の報道から半年。時間がかかった割には、期待はずれである。

MSN-Mainichi INTERACTIVE 社説:朝日VSNHK メディアには謙虚さが必要だ


圧力があったかどうかは、元々水掛け論になりやすい。その点、朝日新聞が当初報じたように、政治家側がNHK幹部を「呼んだ」かどうかは核心の一つだった。だが、検証ではそれは明確にならなかった。

Sankei Web 産経朝刊 産経抄(07/26 05:00)


迫り切っていない真相はほかにもある。昭和天皇を「強姦(ごうかん)と性奴隷制」の責任で断罪した「法廷」を主催したのは、朝日新聞の元編集委員。問題の記事を書いた記者の一人はその信奉者で、以前から「法廷」に好意的な記事を書いていたという指摘がある。「癒着」はなかったのか。


安倍氏が提示する疑惑はもっと重要だ。北朝鮮工作員が「法廷」に検事役として参加しており、朝日の報道も、対北強硬派の二人のイメージダウンを図ったものではないか、という点だ。鍵を握る記者は、安倍氏の公開討論の呼びかけにも、本紙の取材要請にも応じていない。


海の向こうでは、取材源を守るために拘置所に収監された記者がいる。かたや、取材された人たちだけが、さらし者になって、記者がたこつぼに入ったまま出てこない検証記事。「報道の自由」の危機とはこのことか。同業者として自戒しなければ。

もう一度毎日から


一方、NHKは検証記事に「到底理解できない」と反論している。こちらも反論する時は威勢がいいが、「政治との関係」が変わったとは聞かない。間違いだと思えば素直に改める。メディアは、もう少し批判に対して謙虚でありたい。自戒も込めて、そう考える。当然、朝日、NHKとも、これで幕引きとはいかない。