朝日新聞は暴論以下
私は「完全な公平中立はあり得ない」「偏向報道歓迎」という立場だが、13Hz!さんも言っているように、偏向歓迎にしても、報道である以上、事実をひとつひとつできるだけ正確に伝えることが基礎になる。そういう観点から見ると、朝日新聞の報道歪曲体質には、大きな問題が二つあって、これは曽我ひとみさんの住所報道問題から共通している。
- 事実と論評を意図的に混ぜて論じる
- 外部からの批判に対する回答が論理的でない
住所問題では、家族会から質問された「誰がいつどのように住所を入手したのか」という点について、事実関係を全く明らかにしないで、形式的な謝罪をしている。
そして、今回の問題では、「安倍氏がNHKを呼んで注意した」という当初の報道についての事実関係を明確にしないで報道への政治圧力の問題にすりかえようとしている。誤報があったこと自体より、反論されてから「どのような取材、根拠によってどのように圧力があったと判断したのか」という点を明確にした上で、どこに問題があったのか反省することが重要だ。
朝日新聞は安倍氏の指摘に答えているNHK番組改変問題、本社の取材・報道の詳細の中で、
この幹部は一貫して「自民党に呼ばれた」との認識を示し、これを「圧力と感じた」と証言した。
と(だけ)書いている。しかし、これに対してNHKは
この記事について取材に応じた当時の幹部にNHKが聴いたところ、「『安倍氏には会ったが、中川氏については記憶がない』と朝日新聞の記者に話した。また、再三にわたって『政治的な圧力は感じなかった』と言ったのに、まったく逆の政治的な圧力があったことを認める記述になっている」と答えました。
と証言を全面的に否定している。
安倍氏のまっこうからの反論に対して紙面を大きくさいて回答したものであるから、単なる一記者の見解でなく、社としての意思表明であると思われるが、そこに明らかな嘘が混じっているのだ。
もちろん、これと関係なく「改編自体に問題がある」と批判することや、「明言されてなくても暗黙の圧力が存在する」と主張するのは問題ない。しかしとにかく事実と違うことを報道してしまったら、訂正して謝罪すべきである。
そして、この二つの問題で共通するのは、歪曲報道の被害者が北朝鮮問題のキーパーソンであることだ。そこには、北朝鮮政府の意向、あるいは指示があることが濃厚に疑われる。自国の政府から報道への政治圧力も問題であるが、独裁的な外国から報道への関与も問題ではないだろうか。
嘘を言わず一定の透明性があるのなら、特定の外国の立場を代弁する報道機関があってもよいと思うが、このような歪んだ報道は、いたずらにその国へ敵意、反感をあおるばかりである。