コインパーキング踏み倒し常習犯

先日、ニュース番組の特集で、コインパーキングの踏み倒し問題を扱っていた。深く考えたわけはないが、俺はなんとなくこのような犯人像を予想していた。

  • 貧乏
  • ヤケクソ的な荒れる若者
  • 定職がなく生活が不規則

要するに生活か精神か両方か、何かハタンしてる奴だと思っていたのだが、これが予想と全然違っていた。

最初の驚きが業者の取り締まり手法。常習犯は、行動パターンが決まっていて、同じ曜日、同じ時間帯に犯行を繰り返すと言う。だから記録をチェックして、パターンを見つけてその時間帯に待ち伏せする。この手法が意外なことに、結構有効なのである。

そこまでミエミエで捕まるのだから、よほど馬鹿か、殴り倒して強行突破するか、「もーどーなってもいいもんね」という奴かどれかかと思ったら、最初の奴は、まともそうな中年男。ひととりゴネてからだが、違約金10万円を平気で払っていた。しかも、財布の中には万札の束。そんなに金があって何故、数千円の駐車料金が払えないのか?

おそらくこれは例外で、次は業者VS踏み倒し犯のガチンコバトルが見れるのかと思って期待していると、次のもその次のも同じパターンで、「社会的地位のある中年男性が多い」というアナウンスが入る。みな文句や言い逃れは言うが、割とあっさり金を払う。「裁判にするならしてみろ」とか口で言うのはいたのだが、これも「社長」さんで、結局その場で金を払っていた。

まあ、なんの犯罪でも犯罪する奴は例外でそれを一般的常識で考察してもしょうがないのだが、あまりにも危機感が足りないと思う。まして、一応経営者だったら、業者が常習者に対して何の対策も打たなかったら、経営がなりたたないことを想像できないのか。数時間を車を放置してて写真を取られてないかとか考えなかったのか。

この犯罪で得るものはわずか数千円で、捕まるリスクはかなり高くて、証拠を握られたら刑法犯で前科がついて示談にしても数十倍の出費。社会的地位があれば万が一の時失なうものも大きい。あまり分のいいバクチではない。ちゃんとアドバイザーをつけて脱税した方がずっと確実でもっと儲かると思う。

甘え、想像力の無さ、危機感の無さ、そしてもちろんモラルの低さ。俺にとっては少年より中年の方が、よほど不気味で理解不能だ。理解不能な犯罪を犯す少年がひとりでもいると嫌な感じだが、理解不能な犯罪を犯す中年がひとりでもいるともっともっともっと嫌な感じ。

あくまで犯罪者だから直接共感する人は少ないかもしれないが、こういう危機感と想像力の無い奴にとって生きやすい社会を望む人間はまだまだ多いような気がする。