「自分についてのプロ」しか食ってはいけない

梅田望夫・英語で読むITトレンド:アマチュア革命がもたらす世界は、いつもながら素晴しい内容。いつもこれを読んでいる人には、あまり目新しいことはないけど、コンパクトにまとまった総集編として、非常に価値がある文章だと思う。


「専門性を持ち、それを拠り所に飯を食っていく」という生き方は、今以上に難しくなると言えるのかもしれない。

本当にそうだと思う。

「専門性」とは、差異である。差異とは情報の隔壁であって、それが消えていく。

差異が消えない分野を探さなくてはならないのだが、「自分」についての情報については、誰もが生まれつき囲いこみに成功している。一番先にそこにアクセスできるし、常にそこにアクセスできるし、誰かに出しぬかれる心配がほとんどない。何をオープンにして何をクローズにするか、コントロールも容易だ。この「差異」は、ネットがどれだけ発達しても、そのことだけによって無くなることはない。

ただ、それに関するコンサルがいない。自分の「自分」についてよく知っている人やそこで得たノウハウを開示してアドバイスしてくれる人はいるけど、それは彼または彼女の「自分」であって、私の「自分」ではない。私の「自分」は自分自身で見つけなくてはいけない。

そんなものが本当にあるのか無いのか、ということを初めとして、そこにはたくさんの謎がある。

かなり多くの人が、経済的な理由でそこに追いこまれてしまうというのは、よい時代なのかそうでないのかわからないが、退屈はしない時代であることは間違いない。