握手をしない妥結

プロ野球ストは、経営者側と選手会側で妥結してスト回避となったけど、ここで重要なのは、選手会の古田会長が妥結はしたけど握手をしなかったことだと思う。

「握手をしないでケンカ分かれ」と「握手をして全面和解」という選択肢しかなかったら、世の中バラバラになってしまう。表面だけつくろって一応仲直りしたことにして握手する、というのは、これからはもう通用しない。

それができない時、それができない相手とどう共存していくかが問題だ。

それと比較して、夜回り先生の辞職(ネタ元)というこの話は、あまり教育上よろしくない。型破りな先生だから、教育委員会がその考え方を全面的に受け入れ難いことは理解できる。しかし、とにかく現場をよく知っているのだから、全面的に賛成できない人にとっても、この人から得られる物はすごく大きいと思う。

価値観が全面的に一致してない人と、いかに共存し、いかに両方にとってプラスとなることを実現していくか、利害が対立する人と、いかにWin-Winの関係を築きあげていくか、そういうセンスがこれからこの世の中で生きて行く人には必要だ。これだけ価値観が多様化した時代に、異物に対して全否定と全肯定しか選択肢が無いのでは、破滅的な結果しか得られない。横浜市教育委員会には、そういう場合にどうふるまうべきか、手本を見せてほしかった。

教育委員会なんかにそんなこと期待するな」と言われそうだけど、これって、これからの「教育」において、最も重要なテーマじゃないかと思う。(「教育委員会は教育と関係ありません」と言われたら黙るしかないけど)

(関連記事: インサイダーとエイリアンしかいない世界)

(追記)

これを書いてから、メモを整理してたら、近いテーマの記事が二つ見つかった。

どちらも少し前に読んでURLだけメモしておいたのだけど、私の上の文章は微妙にこの二つの影響を受けているかもしれない。