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国会議員の仕事はまず議会なんだろうが、それだけでは話が終わらない。料亭で謀議をこらす、いわゆる「密室」という奴をやんなきゃいけない。しかも最近ではサンデープロジェクトに出たりして、テレビでもがんばんなきゃいけない。 3割30本30盗塁じゃないが、「国会」「密室」「サンプロ」を全部じょうずにやる人はなかなかいない。なかなか大変な商売である。

しかし、ビル・ゲイツはそんなことはしない。リナス・トーバルズもそんなことはしてない。カルロス・ゴーンもおそらくやってないだろう。

密室がなくて全て公開してやってるということじゃない。問題は、3つの仕事がコンフリクトしてないことだ。ビル・ゲイツは表向きは「*linux*はおもちゃ」とか言ってたけど、裏ではどうやってこれを取り込むか真剣に考えている。裏表はあるけど、両者は一貫しており同じ種類の才能でこなしている。コムデックスで演説する時もその延長線で仕事ができる。

別の言い方をすれば、ゲイツもトーバルズもゴーンも才能が100%仕事になっていてロスがない。しかし、加藤鉱一や野中広務に能力がないということではなくて、「国会」「密室」「サンプロ」でそれぞれ両者が違うことを違うように言ってるために、なかなか仕事が進まないことが問題なのだ。

「密室」や「サンプロ」があっちゃいかんとは言わないが、国会で仕事ができなすぎるからその2つの比重が高まってしまうわけで、もうちょっと国会で予定調和じゃない本音ベースの議論をするようになれば、「密室」や「サンプロ」でする仕事の量が減って、本来そこで行なわれるべきことがそこで行なわれるようになると思う。そうすれば、仕事が回って今より政治家の才能が生きるようになるだろう。