腐海にたどりつく力と幸運

腐海ってのは無意識のメタファーだ。普通の人は立ち寄りたくない場所。何かの装置で守られずそこに入りこむと、瘴気を吸って死んでしまう。焼き尽くしてしまいたくなるが、それをやると中からオームの大群が出てきて目茶苦茶になる。

基本的に、風の谷の人々のように自分の分を守り、そこからやってくる悪い胞子を辛抱強くひとつひとつつぶしていくしかない。一気に無くそうとするのでなく、それと共存していくようなアプローチが必要だ。しかし、それは途方もなく大変なことで、それをやっても瘴気の病が避けられないこともある。そして、そういう知恵は失われつつある。

しかし、腐海は世界を浄化している。憎しみや怒りや嫉妬も精神を浄化している。そのことを知るには、腐海の最深部に到達しなくてはならない。到達するためには、ある種のパワーや技術と人を助けようとする慈悲の心と、さらにひとつの幸運が必要だ。強く幸運な人だけが、あの静謐な世界にたどりつき帰ってくる。