事実は小説よりもずっとオープン

こういう当たればでかい逆張り論説を書きなぐっておくのは未来予想家としては効率がいいな。一部だけでも当たれば「当たった」って言えるしなあ。

このエントリへの反応で一番笑ったのがコレ。

まあその通りだと思うけど、一方で、ハズした予測も未来永劫アーカイブに残って、もし万が一有名になっりしたら逐一掘じくりかえされます。そういうリスクもある。

それと本当に重要な予言というのは、ほぼ見向きもされません。リンクされている私のエントリだって、ある意味では言い尽くされていることを、ちょっと今風に言いかえただけで、「予言」としての価値はあまりない。

本当に重要な予言とは、たとえばこういう発言を事前に予測すること。

すべてのオンライン音楽ストアが、DRM フリーの、ライセンス可能なオープン形式に変換された音楽を販売するそんな世界を想像して欲しい。そんな世界なら、どこで買った曲でもすべてのプレーヤで聴け、すべてのプレーヤで聴ける曲をどの音楽ストアでも売ることができるのだ。これは明らかに消費者にとって最善の選択肢だ。アップルは即座にこれを受け入れるだろう。

75%のシェアを持つ企業のトップがこういうことを言うかなあ。

もちろん、音楽業界とのかけひきで、言葉になってない思惑や裏の意図はあるんだろうけど、ジョブズがこれを言ったことで、「DRMフリー」という概念に焦点が集まり、この言葉がブログスフィアを飛びかうことになるのは確実だ。「囲いこみ」がしにくくなるのは間違いない。

「囲いこみ」に未来が無いことは見方によっては今や常識で、経営者としてそれに備えることは当然であり、そこまでなら予測できる。

でも、自分から時代を「囲いこみ」の先へムチ当てて追いこむかなあ。影響力をそういうふうに使うかなあ。

アップルが(あるいは音楽配信業界の独占的トップ企業が)、こういう発言をすることを予測した人がいたら神だと思うけど、たぶん、そういう人は「これはひどい」と「トンデモ」というタグをたくさんつけられるか、全く無視されているだろう。

まさしく事実は小説よりも奇なり。事実は普通の人が考えるよりもずっとオープンな方向に向かっているようだ。

ともかく、ダークマターの取り合いは、いよいよ本格化してきたようだ。