「日本の経営者は怠けてる」と外国メディアが見ている

ライブドア問題について、「日本には怠けている経営者がたくさんいて、そういう連中が怠け続けるためにホリエモンを逮捕した」という見方をしているいくつか外国メディアが、2ちゃんねるの某スレで紹介されていました。

以下で出てくる「コーポレート・ガバナンス」というのは、無能な経営者が怠けないように監視する仕組みのこと。つまり、株主というのは、経営者を見張って「しっかり働け!コラ!」という人であって、株主と経営者の利害は対立しているという観点が根本にあるのだと思います。

日本は伝統的に、株主が経営者を甘やかす傾向があって、ホリエモンはそれを変えようとして失敗したということです。

http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1136556467/315-317n (WSJ社説)


日本の企業文化には、悪名高い、相互関係を重視する意思決定の伝統があるわけで、会社の買収の為に株主に直接アピールすることは無作法と見なされる。


そういうところに、堀江貴文が登場した。居心地の良い伝統的なシステムを揺さぶるために現れたようなものだが、日本のビジネス環境の変化が、彼の登場に道を開いたのだ。日本の株式の相互持合い(cross-shareholdings)体制が崩れてきただけではなく、株主がその価値やより経済的合理性のある経営判断を求めて、声を高めつつある。


少なくとも堀江氏は、投資家の保護は如何にあるべきかの議論を巻き起こした。いまや、その議論を、投機を刺激し過ぎないように、投資家を守るという制度に実現させるのが、日本の役人の仕事となった。

翻訳した人のコメント。


わたすの意訳が拙くて、うまく言い表せていないのだけれど、この評論の中には敵対的買収や株式公開買付けといった「無作法」な制度は、株主価値の向上をおこたる怠慢な経営者を規制する唯一の有効な手段でありシステムなのだが、日本人は解っているのかすらん?といったニュアンスがあふれているのだけれど。

http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1136556467/295 (英Ethical Corporation社評論)


Mr. Horie's innocence or guilt isn't yet proven. But in the eyes of the old grandees of Japanese business, he was already guilty. He brought an American style of business to take on Japan Inc. And he was succeeding brilliantly.


堀江氏が有罪か無罪はまだわからない。しかし、日本の経済界のお偉方の目から見ると、彼の罪は明白で疑いようもないことらしい。彼は日本株式会社にアメリカ式のやり方を持ちこんだ。そして、非常な成功をおさめようとしていた。(試訳 by essa)


Japan doesn't have to become America. But it does have to deal with increasingly competitive global corporations and liquid capital markets. It can choose to do that intelligently, honestly and openly, or it can bluster its way down a dead end.


日本がアメリカになる必要はない。しかし、日本が多国籍企業と流動的な資本市場をうまく扱う必要があることは確かだ。日本は、正直で開かれた知的な方法でそれをこなしていくか、怒鳴りちらして排除して行き止まりへの道を歩むかの選択をせまられている。((あまり自信のない)試訳 by essa)

http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1136556467/215-217n (FT社説: 交差路に立つ、日本)


日本は交差路に立っている。一方には伝統的なクラブ的(閉鎖的)で内向きな資本主義のモデルがあり、もう一方には荒々しい西欧型資本主義のモデルがある。それがライブドア事件の真の意味である。


堀江氏が不正行為に手を染めたかを判断すべきは検察や、あるいは裁判であろう。しかし資産運用が非効率である企業に株主が乗っ取りを含めて、その権利を行使するというのは、それとは別の問題である。この違いを、日本が区別することは重要である。


日本にはコーポレート・ガバナンスが弱体で経営者が効果的な吟味や規律から遠ざけられている企業が多すぎる。その結果、資源がミスアロケーションされ、資産が非効率に使われ、競合する環境への対応に遅れることになる。その被害者は株主に留まらず、日本経済そのものに及ぶ。

旧を(株主対経営者という文脈での)経営者としか見てない所が惜しいけど、新旧対立の構造をきちんと読みとっていることはさすがです。

一方、その頃、某島国のメディアでは

乙部さんが美人広報か“美人広報”かも問題ですが、この国にあるのがジャーナリズムか“ジャーナリズム”かの方がもっと問題。

昨日の風はどんなのだっけ? - 既存特権と改革勢力の権力闘争を帯びてきたホリエモン事件


ホリエモンがマスコミを殺すんではなくて、ホリエモントリックスターとして動いた結果、マスコミが自滅に向かってまっしぐらに進んでいるように見えます。

確かに!