玄倉川の岸辺:期待の重さ
私も、小泉さんに笑顔が無いのが気になっていました。
もし小泉総理が運命を思いのままに動かせるとしたら「自民党300議席と民主党110議席」よりも「自民党250議席と是々非々で話のできる民主党160議席」を望んだような気がする。かえってそのほうが小泉自身の思うままに動きやすかっただろう。改革への期待を一身に負うことになった小泉が頑なに「自分の任期は来年9月まで」と繰り返すのも無理はない。これは「本人にやる気がない」というよりも「過大な期待はすぐに不満に変わる」という人間心理を見据えたリアリズムだ。
私も、小泉さんは300議席を権力ではなくて責任と感じているように思います。真面目な人なんだと思います。
小泉さんはときに「人蕩しの名人」とも呼ばれるが、人間を信頼しつつその限界を見失わない冷徹さが彼の凄みを生んでいるのだろう。
真面目なリアリストですね。
もちろん、もっとひねくれた解釈も考えましたが、自分で納得できる説明は他に見つかりませんでした。大勝利を手放しで喜んでいるわけではないのは確かだと思います。