「うつの話」について補足

昨日の、「うつの話」に、Ragamuffinさん他の方からコメントをいただいて、これにも考えさせられました。

まず、Ragamuffinさんがおっしゃるように「うつ病」には脳内の代謝のバランスの崩れ、つまり「神経疾患」として解明できる側面があります。ですから、これに苦しむ人にとっては、病理学的な知識や投薬治療が重要であって、私の記事は、その点についての配慮に欠けていると思います。これは素直に反省しています。

しかし、そういう正攻法的な説明を頑として受けつけない人もいて、そういう人には、リンクしたpavlushaさんの記事のような説明は有効ではないかと思います。直接的に頑なさをつき崩すというよりは、そういう硬直性の中核をあぶり出すための、面白い試みのひとつだと思います。

精神疾患に対する無理解の原因は、知識の不足ではなくて、無意識的にそれを拒否してしまう人がいるからだ、と私は考えています。精神疾患というものの存在を認めることが、彼らのアイデンティティをゆるがすような、そういう形でアイデンティティを形作っている人が多いからだということです。ですから、単なる啓蒙ではこの事態は変わらず、変化球的、禁じ手的な比喩も使って、人をゆさぶっていくことが必要であると思います。

あと、これを受けた、artonさんの例え話有害論者の罠も、面白かったです。