片岡義男「日本語の外へ」

伝わってないのでもう少し書きたいが、さすがにネタがつきてきた。ただ、ひとつだけ言い残したことがある。

俺がこうやって紹介すると支離滅裂にむやみにいろんなテーマをつめこんだ、だらしがない本のように思えるだろうが、そうではない。この本のテーマは、「アメリカ」「英語」「日本」「日本語」の4つである。テーマが多岐にわたっているようで、この4つの関係だけを書いている。この4つの言葉を均等に配置し、直線で結んで正方形とする。その正方形をまんべんなくムラなく塗りつぶし、一歩たりともその枠の外へハミ出ていない。幾何学的と言ってもいいような美しさがある。

そのストイックさとカッコよさだけは昔と同じ片岡義男である。