2003-04-05から1日間の記事一覧

片岡義男「日本語の外へ」

伝わってないのでもう少し書きたいが、さすがにネタがつきてきた。ただ、ひとつだけ言い残したことがある。俺がこうやって紹介すると支離滅裂にむやみにいろんなテーマをつめこんだ、だらしがない本のように思えるだろうが、そうではない。この本のテーマは…

片岡義男「日本語の外へ」

伝わってないのでもう少し書く。片岡義男という人は、本来、こういう難しいことを書く人ではなく、バイク乗りの少年やサーファーの青年を、一切の内面描写を拒否して、徹底的に映画的に外側から「彼はこうした。彼はこう言った」とだけ書く小説家である。そ…

片岡義男「日本語の外へ」

伝わってないのでもう少し書く。この本にはブッシュ大統領のスピーチがいくつか引用されており、それが「明解さ」という英語の最も優れた特質から微妙にずれて、節度のないあからさまな言葉になっていることを指摘する。それにまつわるたくさんのエピソード…

片岡義男「日本語の外へ」

伝わってないのでもう少し書く。アメリカの強さは、いろいろな文化を混ぜあわせてよいものを作り出せる多様性であり、その多様性のおおもとは「自由」というキーワードで表すことができる。一方、アメリカが他の国に自分のスタイルを強制する時に、それを象…

片岡義男「日本語の外へ」

"I'm hungry" と言う言葉は「僕は腹へったけど君はどう?」という問いかけを暗黙に含んでいて、それについての両者の立場を明確にしようという方向性を持っている。相手のほうが腹へってなければ、我慢しておいて後で行くか、喫茶店のような食事も飲み物も注…