Social Graph APIによってGマシーンがあなたの偏差値を計算するよ

Social Graph API は地方出身者が東京で行なう同窓会のようなものだと思う。

地方から上京してすぐの人が東京で行なわれた同窓会に参加すると、東京で働いていて業界とかでつながりのある同窓生を発見できる。つまり、古いコネを新しい領域で有効活用できる。

同じように、たとえばtwitterを有効活用している人が、新しいソーシャル系サービスに参加すると、twitter内での旧友をその新しいサービスの中で見つけることができる。

もし、両方のサービスが Social Graph API に対応していたら、これが可能になるということだと思うけど、具体的に言えば、

  • twitter内での essa と新しいサービス内での essa が同一人物であることを示すものが「meリンク」
  • twitter内での followの関係が友人関係であることを示すものが「friendリンク」

が、Social Graph API の基本的な機能。もしtwitterがこれに対応すると

  • twitterのプロフィール欄に他サービスへの「meリンク」を貼る機能
  • twitterのfollowの関係を「friendリンク」として公開する機能

twitter に加わることになる。(マイクロフォーマットを埋め込むだけなので、実装はすごく簡単)

「meリンク」によって「私が書いているブログはこれ」みたいなことも表現できるので、そう登録/公開した場合には、ブログがsns内の日記に近いものになるだろう。つまり、「友達の日記更新一覧」みたいなものが、各サービスをまたがって取得できるということ。

OpenIDやSocial Graphなど,オープンなインターネットでSNSを実現するための環境が整っていくことで,将来的には“クローズド”なSNSが,“オープンなインターネット上のSNS”から取り残された存在になる可能性さえある。

というか、ブログやネットというものが、中心を持たずに一つのSNSになっていくということだと思う。

たとえば、ブログエントリを(複数のサービスにまたがった)友達関係を使って評価することができる。つまり、検索から知らないブログを見る時に、「この人は、あなたの友達のAさんの友達のBさんの友達です」みたいな情報が表示されることになる。もっと言えば、ブログ検索等で友達関係の近さをランキング計算に含めることで、より有用な情報を抜き出すことができるだろう。

おそらくそれはかなり検索の精度を上げるのに有効なので、それを使うひとが増える。そうなると、「meリンク」のないブログがSEO的に不利になるので、「meリンク」を貼るしかないだろう。

「friendリンク」を持たない別の「me」(プロフィール情報)を作成してそこからブログにリンクしても、その「meリンク」は無いに等しい。だから、手持ちの「friendリンク」を総動員した「meリンク」を作って、そこからブログにリンクする必要がある。

複数のサービスを用途によって使いわけることは可能だし、たぶんSocial Graph APIによってもっとやりやすくなるけど、その一連のプロフィール情報とアイデンティティを「meリンク」で連結しないと、いろいろ不都合が出るような気がする。

mixiの中のあらゆるページには、誰かのアイデンティティが紐づけられている。つまり、誰が書いた書き込みで、その人はmixiの中で他に何を書いているのかmixiユーザには誰にでもわかる。

これと同じような意味で、WEB上の全てのページに誰かのアイデンティティが紐づけられて、そのページを書いた人が他にどこで何を書いているか全てわかるようになる。mixiでは制限はあるけど、この「グローバルSNS」では制限が難しいのではないかと思う。

簡単に解説するだけのエントリにするつもりだったけど、妄想系のエントリになってしまったので、ついでにもっとストレートに言うと、これはプロフィール情報がグーグルによって採点されるということだ。

つまり、その人が書いたページのページランクの総合計と、その人の友人のページランクの総合計のような数字によって、(ページでなく)人を評価することができるようになる。

グーグルは情報を持たず、情報を持っているのはそれぞれの各サービスの提供者で、それを相互に連結できると便利になるよ、という話なのだけど、連結できたらたぶんグーグルは、世界中全ての人の偏差値を計算するよ。グーグルがしなかったら、MS+ヤフーがするよ。だから、こういう時は、Gマシーンが、と言うのがいいと思うけど。