人工知能は人間不信でWeb 2.0は人間過信

この比較は面白い。それに、

  • バズワード的な熱狂とバブル狂騒曲
  • ルールベースからエージェント指向への流れ

という二つの点で両者はよく似ている。そして、理論があいまいだから、バズワード的な商売に走る奴にとって使い勝手がいいという点で、この二つは関連していると思う。

でも、大きな違いもひとつある。

人工知能の推進者は、人間に対する不信感が強かった。定型業務がシステム化され、コンピュータにできることと同時にできないことがハッキリしてきた頃に、コンピュータによって人間を管理できる部分が意外と少ないことに幻滅していた人たちだ。彼らは、コンピュータによって人間を置き換えようとしていた。人間が信頼できない人たちだ。

Web2.0に熱狂している人たちは、そういうニュアンスの人間への不信は無いと思う。というか、むしろ、これを批判する人たちが「Web2.0の人は普通の人間の判断力を過信している」と批判しているように思える。その過信に対する説明や理論が欠けているという批判に対して、確かに推進派は説明を提供しない。「人間が人間を信じて何が悪い」と開き直っているようだ。