二種免許的パソコンリテラシーの必要性

あなたの友人で「車が好き」「車が趣味」という人が、タクシーの運転手になったらどう思うだろうか。

「あいつに安全運転できるだろうか?」「制限速度で走ったらストレスたまるだろうな、大丈夫か?」と不安になると思う。

ウィルスによる情報流出事件が多発しているのは、これと同じである。「車が好き」な人は、自分の車で走りたいように走ることが好きなのであって、その嗜好や趣味が彼の業務に役立つ可能性はかなり少ない。「パソコンが好き」な人にパソコンで仕事をさせれば、こうなるのは当然である。

自分の車に他人を乗せるには二種免許が必要であるのと同様に、他人の情報を扱うに為は、別の技能、別の系統の知識が必要とされる。体系的に安全運転の為の技能、知識を身につけてないといけない。

もちろん、技能としては共通の部分もあるだろう。バスに立って乗っていると、運転手の技能によって疲れ方が随分違う。ギアの切り替えがスムーズで、ブレーキが最小で気持ちよく運転してくれる運転手さんだと乗っていて非常に楽なのだが、あの加速度に対する敏感さ、センスは、首都高をぶっとばす時にも使えるような気がする。中にはうまく切り替えて公私ともどもそれを活用し、休日には大変な加速度でスムーズな運転を楽しまれている方もいるかもしれない。

しかし、タクシーやバスでドリフトをされたらたまらない。ウィルスに無防備なパソコンで業務を行なうのは、それと同じである。

そういう事件が多発したからと言って、ドリフトや改造を過剰に取り締まってF1を中止させて車の楽しみを全て奪うような規制をすることは不要だし意味がない。P2Pの問題と一連の情報流出の問題は、完全に別の問題である。

「二種免許的パソコンリテラシー」の必要性が理解されてないことが唯一の問題である。パソコンを安全運転する為には、パソコンを楽しむのとは別の、一歩だけ深い知識が必要とされるのだが、それをきちんと啓蒙していけばいいだけの話だと思う。