日本一時給の高いフリーター

平山雅浩の日記―春宣りゆかむ - ネオリベに動員されるチルドレンにタイゾー君関係のコレクトと分析があって、なかなか面白い。

例の会見ちょっと見たけど、マクドナルドのマニュアルに「笑顔で接客すること」と書いてあるように、国会議員のマニュアルには「口元をひきしめて記者会見すること」と書いてあるのか、と思わせるような会見であった。バイトの子が、しっかり社員の人の言うことを聞いて頑張るように、世耕さんの言うことをしっかり聞いて頑張るのが、彼らしくていい。「フリーターの心情がわかる」というのは、こういう豹変ができることだと思う。

彼の考えているキャリアは、「バイト国会議員」として仕事を認められて「正社員クラスの国会議員」になることだろう。フリーターの子にとって、想像の範囲内にある具体的な目標は「正社員」であって、その上は、あまり考えられないのではないか。そういう意味では彼は、正しくフリーターの心情を残したまま国会議員としてやっていくと思う。

フリーターの心情を残した国会議員が、フリーターの代弁ができるのかというと、それは必ずしも直結しない。心情に共感できなくたって、ニーズを理解して戦略を立てられて政治力を行使できれば、よい国会議員だ。しばらくの間、彼は「バイト国会議員」として、自民党の広告戦略の道具になるだけで、フリーターでなく自民党の代弁者である。

しかし、「正社員クラスの国会議員」になった時には、彼は自分の判断で動き、再び自分の言葉でしゃべり始めるだろう。「バイト上がりの社員」には、自分は現場を知っている仕事を知っているという独特の自負があると思うが、そんな種類のプライドを持った国会議員は、過去に類がないだろう。

そこまで辛抱できて、そのプライドがうまく働けば、彼は自分の長所、「フリーター、パシリ経験の豊富な国会議員」であるという長所を存分に生かして仕事をするのではないかと思う。