石原知事は刑事告訴を検討していると明言しましたが、テレビも新聞も扱いが小さすぎると思います。これは知事が正しいにしろ、TBSが正しいにしろ、どちらにせよ一面トップクラスの重大な事件です。
都知事が都庁のスタッフを使って公人として報道機関を告訴すると言っているわけですから、よほど確かな根拠が無ければ権力の濫用です。マスコミは知事の主張の正当性を徹底的にチェックすべきでしょう。単なるミスを証拠も無しに捏造と決めつけて告訴するとしたら、報道機関は萎縮してしまって権力のチェック機能が果たせません。言論の自由の危機だと思います。
逆に、知事の言うことが正しいなら、TBSはマスコミという公器に対する国民の信頼を裏切ったことになります。報道の使命はまず事実をそのまま国民に知らせることです。どういう犯罪者であれ、どういう危険思想の持主であれ、言ってないことを言ったというデマを流すのは重大な背任行為です。他のマスコミはそう考えていないのでしょうか。
だから、「捏造だ」という知事と「単なるミスだ」というTBS、どちらが正しくてもこれは重大なニュースです。
ちなみに、毎日新聞は昨日このURLで、「TBSは誤った字幕をつけ、語尾の音声をカットして放送した」というニュースを流してました。「音声をカット」は両者の主張の対立点の正否を判断する上で重要なキーポイントだと思いますが、なぜかこのニュースが消えています。他の媒体もそこには触れてないようです。
なお、特別会見のテキストを見て感じたことですが、やはり石原知事は冷静ですね。
それをどう批評するかは自由だが、前提として１００％認める／認めないという白黒を転換して報道したというのは非常に卑劣な、巧みなやり方だと思うね
日韓併合に対する彼の観点を100%共有できない人にも、この問題は共有させようという意図が感じられます。捏造報道と知事の持論を無理にリンクさせようとはしていない。私がTBSの捏造報道で書いた左翼の傾向とは逆の態度だと思います。
逆に質問する新聞記者の方が、無理に日韓併合の問題をむしかえしていて、「発言を曲げて伝えた」という事件の本質からズレた問題にしようとしている気配がありありです。
