a big surprise

"I have a big surprise for you !"と言ったら、"surprise"とは嬉しいプレゼントのことだ。ビートルズというバンドはこのような意味の贈り物をたくさん残してくれた。ただのアイドル系のロックンロールバンドだと思っていたら、突然歴史に残る名曲を書いたり、インドのシタールという楽器を使ったり、LSDのことを歌にしたり、前衛音楽をやったり、政治的なメッセージをこめたり、裸になったり、B面が全部つながったLPを出したりした。よし今度はもう何が来ても驚かないぞ、と足を踏んばって歯をくいしばって最後のレコードを買うと、これが何とシンプルなロックンロールに回帰しており、何のことはない、やっぱり驚かされてしまった。

ミュージックステーションを見ていても、今はなかなか"surprise"をもたらしてくれる音楽はない。むしろ、ニュースステーションのほうが"surprise"にあふれている。

だが、ビートルズの"surprise"は心地良い驚きで、飲み込むことに苦労することはあるが、飲み込んだ後に自分の心が広がる思いがした。しかし、今、ニュースを見て感じる"surprise"は、不快感だけが残る。この違いは何かと言うと、変化を前向きの態勢で先取りする"surprise"と、変化に追いまくられて仕方無しに発生する"surprise"の違いだろう。