相手の長所を自分のロジックの中でまず肯定する
前のロングテールのエントリーで用いたロジックを、説得の為の方法論として一般化すると
- 対立する相手の概念の長所を、自分のロジックの中で、一般化した上で肯定する
- それに同意を得る
- 同じ一般化したロジックに乗って、自分の論点を主張する
- 反論があったらそれを反射して相手の長所を批判する形にして、それを無効化する
つまり、相手が同意するであろう「薄利多売」を、商売の世界でのひとつの「革命」であるとして、それを肯定する。ここで「薄利多売」の長所をきちんと説明できないといけない。それができていれば、相手はそのロジックを受けいれざるを得ない。
ここは、前段なのだけど、ここで「薄利多売」の意味を説得力あるやり方で説明できなければ、次のステップへ行けない。それがポイントである。
もし、それがちゃんとできたら、同じ「革命」がもうひとつ起きているとしてロングテールという現象を説明する。そうすると、ロングテールに対する反論は、「革命」という一般化、「薄利多売」という一般化を通して、「大量生産、大量消費」というすでに起こっていて相手も肯定している現象に対して「あり得ない」と言う主張と同等になる。
たとえば、「売れない商品をいくら集めてもたいした利益にはならない」と言われたら、「ヘンリーフォードも『庶民向けの安い自動車』についてそう言われたでしょうね。ダイエーの中西さんもそうだったでしょうね。数が極端に変化した状態を想像するのは難しいんですよ」と反論すればよい。
そうすると、論点が次のポイントに移らざるを得ない。つまり、産業革命が「薄利多売」を可能としたような意味で、Webは本当に「超薄利無数売」を可能にするかという話である。ここまで来ればこっちのもので、少なくとも、その人をWebに対して真剣に目を向けさせることには成功したわけである。