人材スタグフレーション(人余り+人手不足の同時発生)

namiメモさんから、ベーシックインカムは人余り時代向けの対策で、これからむかえる人手不足時代には適してないという批判をいただきました。もちろん、私は厳密な分析から言っているわけではありませんが、それが、人余り時代向けであることはなんとなく理解できます。

予測より2年早く人口減少が始まるかもというニュースは見ていましたが、確かに、これからは人手不足になるという認識はありませんでした。そこで頭の切り替えが必要だなあということは実感しました。

マクロ的な観点から不適であることは理解できましたが、それでも、私はベーシックインカムは検討すべき有力な選択肢であると思います。

上のエントリは、namiメモさんの関連エントリを見て勉強させていただいているうちに思いついたことですが、日本の一番の問題は、国民の平均的倫理感と経済システムの不整合だと思います。中高年の倫理感は高度成長時代に過剰適応していて、現在の経済システムに合っていません。しかも、それを忘れる為の歴史感覚を持っていません。

そういう不整合は常に起こることですが、上のエントリに書いた特殊な環境の為、若者が萎縮してしまって、それを問題として認識できてないことが問題ではないかと私は考えています。時代を何となく感じている若い人は多いのだけど、それを発揮できない為、全体のパフォーマンスが大幅に低下していると私は思います。

それは、歴史的に類の無いものですから、やはり歴史的に類の無い荒療治が必要です。倫理を転換して、若者を重しから開放し、経済システムに合った新しい倫理を構築すれば、労働生産性は大幅に向上するのではないでしょうか。ベーシックインカムは、労働に関する倫理感の変革を迫る面があるので、その為のシンボル的政策として適しているように私は感じます。

感覚的に思うことなのですが、連続性を保持したままのマクロ的な対策のみでは、人余りが解消されないまま人手不足が起こり、両方とも深刻な問題になると(いわば人材スタグフレーション)いった、理解できない状況になるような気がします。