権威と服従の心理――S・ミルグラム『服従の心理――アイヒマン実験――』

あなたが、心理学の実験として、誰かに電気を流す役を命令されたとする。つまり、以下に書かれている「教師」の役をやらされるわけだ。


教師に、向こうの部屋にいる人に学習テストを施行しなければならないと言う。生徒が正しく答えたら、教師は次の項目に移る。答えが誤っていたら、生徒に電気ショックを与えなければならない。教師は、最低のショック水準(15ボルト)からはじめ、生徒が誤りを犯すたびに、 30ボルト45ボルト60ボルトと、水準をあげてゆかねばならない。


「教師」は、実験に参加するために実験室にやってきた、本当に何も事情を知らない被験者である。生徒あるいは被害者は、芝居をするのであって、実際には、全然ショックは与えられない。実験の要点は、いやがる被害者にますます強い苦痛を与えるように命じられるという、測定可能な具体的場面において、人間がどこまでやるかを見ることにある。どの点で被験者は、実験者に従わなくなるであろうか?

その時に、あなたは何ボルトで「こんなことやってられるか」と電気を流すことを拒否するだろうか?

実際にこういう実験をしてみたら、被害者がどれだけ苦痛を訴えても、おとなしく指示に従って、容赦なく電気を流す人が多かったという話がこの本に出ているそうだ。

この実験のことは知っていたけど、アレントが関係したとは知りませんでした【やっぱり迂闊なおれessa】。

ネタ元は、Kei-Harret’s Timesさんの、今もまだ続いているこの議論へのコメント。

この、教養としての読書一覧というページは、なかなかよさそうなメンツがならんでますね。