[?date=20050430#p01:title=勝ち逃げ論]分析
これは、整理してみると、
- 日本の構造的な問題を「勝ち逃げ」という概念で集約して、全体に共通する構図を発見する
- 1の構図を分析して、一般論としてこの対立図式においては「勝ち逃げ」組が圧倒的な有利であり、有効な対策が無いと主張
- 2を前提として倫理、生きがい論的な価値の転換を提案
という三段階に分かれていて、分割可能な三つの問題を一気に論じていますね。
まず、問題の整理の為に「勝ち逃げ」という概念がどれだけ有効であるか?という論点があります。つまり、利害が対立する両者が、問題を違うレンジでとらえていることから不公平が生じているという分析が、どの程度、個々の問題に適用可能であるかということです。
次に、同じように「勝ち逃げ」概念を使うとしても、逆にそれを有効な対策立案の為にガイドライン的に活用することも、理論的には可能だと思います。私には現時点では思いつきませんが、「勝ち逃げ」概念が不公平がどこから生じているかを説明できているとしたら、それを効果的な対策に結びつけることもできるかもしれません。
上記二点は、ある程度、客観的な分析、批判が可能なものですが、最後の価値の転換の部分は、私の主観的な主張であって、主観的である為に論理的に反証することが難しい部分です。
批判される場合は、この三点のどこに対して批判するかを明確にしていただければ、論点が明確になると思います。
- 1を批判するなら、「勝ち逃げ」という構図にあてはまらない重要な問題、あるいは、それによって見えなくなる別の重要な論点を提示する
- 2を批判するなら、「勝ち逃げ」を効果的に封じる一般的な策を論理的に提案する
- 3を批判するとしたら、お互いに「私はこう思う」の言いっぱなしになるしかないわけで、議論にはなじまないことを前提にとりあえず言ってみる
なお、私はこういう複数の論点、複数の観点を圧縮したスタイルの文章が好きなので、これを続けていきます。というか「圏外からのひとこと」というブログのタイトルは、そういう文章を書きたいなと思ってつけているのですが、それがなかなかうまくいかなくて、長い文章を書いてしまうことが多いという感じです。