コンピュータ技術と現代社会


コンピュータ技術者が社会的な発言をすることももちろん大切ですが、逆に、コンピュータ技術者が正しい社会認識をもって、それをコンピュータ技術に反映させることも求められていると思います。

全く同感だが主語が違うと思う。「コンピュータ技術者が」でなく「サラリーマンは」と言った方が適切じゃないだろうか。サラリーマンは思想・哲学のエライ人が考えたことを、あまりにも簡単に自分と関係ないことにしてポイしてしまう。教養がどうこうでなく、単純にもったいない。サラリーマンは思想・哲学・宗教を勉強して正しい社会認識を持つべきだ。

そして、サラリーマンがポストモダニズムを勉強しようとした時、最も有利なのがシステム部の人間である。ポストモダニズムとはXPとかP2Pのことかと理解してしまえる。XPによって一家団欒の時間を取りもどしたSEならば、「ロゴス中心主義」がどのように有害であるか身にしみてわかっている。仕様書や工程というロゴスとコードやユーザニーズという現実のはざまでさんざん苦しんだからだ。

コンピュータというものはありとあらゆる曖昧さを排除する性質がある。この性質は、鋭い哲学者の抽象思考能力と似た働きがあって、それによって現代社会の矛盾があらわになってくる。哲学者はその矛盾を抽象的に受けとめ抽象的に悩むが、SEはそれを具体的に悩むのである。

コンピュータ技術者は正しい社会認識を持つべきだが、その認識のためのツールとして自分の経験と技術を積極的に使うべきだと思う。