黒船(嘉永6年6月4日)(インストゥルメンタル)
黒船ってこういう感じだったんだろうね。
ちょっと前に話題になったアップル激怒、文化庁には著作権行政の資格無し - Engadget Japaneseという記事へのはてなブックマークのコメントをなんとなく見てたら、こんなコメントがあった。
「まあ、そうかもね」と特に深い感慨もなく読み流したのだけど、その直後から、脳に電極刺されたように猛烈にこれが聞きたくなった↓。
アナログ版で大昔に聞いて、何年も聞いてなかったアルバム。ちょっと前にアマゾンで注文しようとしたら在庫切れだった。
これがどうしてもすぐに聞きたくなって、CDショップに行ってみたら、あったんですね。ちょうど再結成した三期ミカバンドのライブが出ていて、そのついでに再発されたのだろうか。
ペリー来航の前後の幕末の日本をイメージしたトータルアルバムになっていて、黒船(嘉永6年6月2日)〜黒船(嘉永6年6月3日)〜黒船(嘉永6年6月4日)というメドレーのインストの曲があったりする。
それで、このメドレーを含むA面全部が凄いんです。
静かな墨絵の国である日本に、海の向こうから何かがやってきて、どうしようもないままその黒船が姿を現し、混乱が極に達してドタバタと化し、何がなんだかわからないうちに日本の夜明けが来る、その流れが見事に表現されている。高中ってこんなにギターうまかったっけ?
「いったい日本はどうなっちゃうんだろう」という不安の中のワクワク感と、なんだかもういろんなことが同時に起きてわけもわからず走り回りたくなるような焦燥感。
「アップル激怒」とかのはてなブックマークの中に出てくるページを読みながら、自分がたった今、毎日感じているこのトキメキと不安が、そのままそこにある。
「黒船」というこのアルバムは、1853年を描写したものでもなく、1974年を描写したものでもなく、2007年6月の今のこの日本を描写したもののように感じた。
同時に僕の海馬の中で、「黒船」と「はてなブックマーク」の間に不思議なショートカットができてしまった。
これから死ぬまで僕は「ペリー」という言葉を聞くたびに、ほとんど自動的に「はてなブックマーク」のトップページのイメージと「黒船(嘉永6年6月4日)(インストゥルメンタル)」というこの曲のギターソロを同時に想起するだろう。
そんな風に予想外の所で脳を刺激して思わぬ出会いをもたらしてくれる「はてなブックマーク」が私は好きです。