ロールモデルとしてのショコたん

ダークマター主導経済とか、「個人をエンパワーする」とか言ってもなかなかピン来てもらえない時は、この話を例にしたらわかりやすいと思う。

情報ルートを持っていて裏話を知っているだけの芸能レポーターは、これから必然的に仕事を失っていく。分析力や断片的な情報をつなげる構想力がないと生き残れない。芸能レポータと同様に、個人をコントロールできることにしか意味を見出せない組織は、ダメになっていく。組織が本当に価値を生み出しているかが問われる時代になるのだ。

サトエリ」の件はたまたまテレビの芸能ニュースで見たけど、ブログ以上の内容が無くて、ブログを朗読しているだけの内容に終始していた。事務所も戸惑っているようなコメントをしていたようだ。

芸能事務所としては、タレントは商品であってしっかりコントロールしなくちゃいけないのだから、ブログは一律禁止にすべきと思っている人もいるかもしれないが、眞鍋かをりやショコたんのように、ブログでの発信によって付加価値をつけることに成功した例もあって、悩ましい所だろう。

石原真理子のようなことをブログでやる人もこれから出てくるかもしれない。

この力関係の変化によって、個人も組織もいろいろな試行錯誤をしていくことになるだろう。その最終的な結末を予想することはとてもできないが、少なくとも当面の間は、組織というものは存続するだろうし、存続する限りは「エンパワーされた個人」とうまくやってかなくちゃならない。

個人としても、石原真理子のような業界のタブーに挑戦するという自爆テロ的な「破壊行為」は大半の人にとって手の届く所にあるが、それをハッピーな帰着点につなげることは、やはり大半の人にとって難しい時代が続くだろう。

だから、組織の一定の枠組みの中で、いかに個人の発信を組織としての価値につなげていくかということは重要だ。つまり、組織と個人がWin-Winの関係を構築していく実践的なノウハウが重要だと思う。

そういう意味で、ショコたんという人は一つのロールモデルになると思う。

彼女は、女性アイドルの基本をきちんと踏まえつつ、ほとんど制限がないダイレクトな個性の発信をしているように見える。そして、両者がうまく噛み合って、タレントとしての価値につながっている。「女性アイドルの基本」とは、事務所やテレビ局や広告代理店が女性アイドルに期待することで、それは一般化して言えば「組織の要請」である。そして、異様に回数が多いブログ更新やオタク趣味に代表される変わった個性は、ほとんど組織からの制限がなく、ショコたん本人の個性というか意思決定がダイレクトに発露していると思う。

重要なことは、両者が互いに双方にとっての価値を高めているように見えることだ。外部から見て、その相乗作用がわかりやすいので、ロールモデルとしてふさわしいのではないかと私は思う。

つまり、新入社員に「君たちは我が社のショコたんになれるよう、しっかり研鑽に努めてもらいたい」と訓示するのである。

それと、これを書くにあたり「ロールモデル」という言葉を検索してみたら、梅田さんの文章が出てきて、これがなかなかよかったので内容的にはそれほどつながらないけど一応リンクしておく。