内藤朝雄さんの「二つの国家観」が面白そう

内藤朝雄さんの「二つの国家観」が面白そう。

内藤朝雄さんとはこういう人。

わたしは学生時代、まだテポドンでなくてノドンが飛んでいたとき、北朝鮮は危険だ、金王朝を倒さなければならない、としゃべっていた。 日本の闇勢力を取り締まらないと、北朝鮮に金が流れてしょうがない。 そのうち日本の闇勢力の金でできたミサイルが飛んでくるぞ! というと、右翼扱いされた。 当時の左翼たちは、北朝鮮は危険でないとか、北朝鮮を追いつめる側が悪いのだ、などとほざいていた。 (ちなみに当時山本七平を高く評価したら、右と言われたこともある)。

「二つの国家観」については、次のURL参照。

特に、旅する読書日記さんの紹介がわかりやすい。

「国家を一人一人の人間の生命を超えた、より高次の崇高なる集合的生命とする国家観」は、非常に短期間だけ人々を狂わせるためのドラッグであって、必要のないときには使ってはならないし、仮に生存のための必要に駆られて使うときにも、「そのまえに目覚まし時計をセットしておき、ときがくれば醒めるようにしておかなければならない」。そしてこれは、もはや21世紀の世界には必要のないものだ。

……と、ここまではナイスなレトリックが炸裂しまくるものの、基本的にはオーソドックスな国家論であると言えるものだが、スリリングなのはここから先だ。内藤は、集合的生命としての国家という幻想を大衆に植えつけ、また指導者たち自身もそこに自家中毒していったしかけを「アッパー系の天皇」と看破し、それを「ダウナー系の天皇」と区別する。そしてアッパー系天皇カニズムの暴走を抑止し、それをダウナー系天皇へと「デザイン変更」し、さらに「普遍的ヒューマニズム」へとつなげるべく自覚的に行動し続けてきたある人物を明確に名指し、「彼」への支持を表明するのである。

「彼」が誰なのかは、リンク先参照のこと(私は宮台さんかと思ったけど、そんなツマラナイ落ちではありませんでした)。