政策的にEXCELからWikiへの置きかえを誘導せよ!

日経 PC 21 とかいう雑誌の中吊り広告で、

万能エクセルでワープロ要らず!

とかいう強烈な特集を見つけてしまいました。頼むから、Excelワープロ代わりにするの止めて欲しいです。パソコン音痴のオジさん社員に変なこと教えて、後ろ盾しないで欲しいです。

プレインテキストでメールすれば済むことなのに、もったいぶってExcelのファイルが添付されてきて、中を見たらスプレッドシート上にテキスト枠が一つ貼られていて、そこに今週の予定が箇条書きされていた、なんてことは日常茶飯事です。

これ、よくわかるなあ。我々の業界でも仕様書をExcelで書く人が多くて困っている人も多いみたいだし。


前にもXOOPS上のWikiでEXCELを駆逐できないかという記事を書いたことがあるけど、Excelにかけているエネルギーの10分の1でも使えば、普通のオフィスの業務なんて、楽々Wikiでこなせそうな気がする。

ついでに、Wiki的(というかAjaxでブラウザ上で動く)表計算ソフト関連のリンク集。

しかし、現実問題として、こういうものを知ってて使える人よりMSオフィスの裏技を使える人の方が、就職には有利なのだろう。Excelをワープロ代わりに使う業務文書作成入門なんて本もある。

個人としては現状に合わせて動くしかないが、そういう個人が拡大再生産されて、間違った現実を強化してしまう。市場にまかせておいたら、個々のプレーヤーの局所的最適化が全体として不適な解や不安定な解に収束してしまうケースだ。

もちろん、どこかの時点で、Wiki(やASPベースのグループウェア)を使う会社とExcel固執する会社の生産性の格差が無視できないほど広がって、あっというまに状況は変わる可能性はある。しかし、たとえそれが起きたとしても、このままでは、JotSpotやSocialtextやWindows LiveGoogle Office主導で事が進むことになるだろう。日本の会社は、洋モノを使わされていろんなつまらないことで余計に苦労することになる。

日本人が日本人に合わせたソフトを開発すべきなんだけど、エンドユーザに近い立場の人、ギーク臭が薄い人にアピールしないと意味ないから、たぶん、この分野のベンチャーは日本では簡単にはブレークしない。そういう先進的な発想は、見えない非関税障壁があって、日本にはなかなか受け入れられないような気がする。ブレークするのは、アメリカでそれが定着してからで、その時はもう手遅れだ。

だから、これこそ行政が上から対処すべき問題ではないだろうか。

教育と研究開発と企業への支援を総合的に組み合わせて、政策的に脱Excelを推進するのだ。特に、オフィスの現場の意識を変えるには、官公庁で率先してモデルケースを作っていくことが有効だと思う。事務員の意識さえ変えるかせめてニュートラルにしてくれたら、そこに巨大な市場が出現し、続々と新興企業が育ち、外貨を獲得することだろう。

逆に言えば、日本の罫線文化で鍛えられたAjax表計算ソフトは全世界で通用するはずである。