「プル」タイプの静かなムーブメント
ケータイのポータルページと「Web 2.0」の違いは、プッシュとプルの違いではないだろうか。そして、「プッシュ」の世界と「プル」の世界を隔てる壁はとても高い。
日本に「ケータイ」が存在する限り「Web 2.0」が普及する日は来ないと思う。
これはそうかもなとも思うし、ある意味、梅田さんも似たようなことを言っている。
また、こうした指摘を発端としてネット上の議論からリアル世界も巻き込んだ何か大きなうねりが生まれるかと言えば、そういうものではない。提示された多様な視点を総合判断した読者の心に、何かが静かに残っていくだけである。今のところ、そんな不思議なメディアだ。
何もアクションを起こさない人の目前に、「大きなうねり」がプッシュされて来ることはないけれど、「プル」する意思があれば、「大きなうねり」にいつでもアクセスすることは可能だ。
日本に「ケータイ」が存在する限り「Web 2.0」が日本に普及する日は来ないかもしれない。というより、いつか「Web 2.0」が普及したとしてもそこはもはや「日本」と呼べないのかもしれない。「日本」の中に、プルしないと見えてこない別の世界が展開して行くのだろう。
「ケータイ」の国と「Web 2.0」の国が並立して、どちらを「リアル」と呼ぶのか、その取り合いがもう始まっているのかもしれない。