論文データ捏造事件は、韓国には見える『異論』が存在することを証明した

この事件については、下記のエントリーがまとまっています。

この事件で私が注目したのは、異常とも言える国民的大熱狂の中に、「異論」がきちんと見える形で存在していることです。まず、世論の反発を覚悟して、この問題を韓国国内で報道したMBCテレビというマスコミがあったそうです。Sankei Web 黄教授「皮膚ES細胞論文の撤回に同意」と韓国報道によると、


当初、MBCが研究の問題点を報じると、韓国内では「国益に反する報道」との世論が沸騰し、この問題を報じた番組のスポンサー企業がすべて降りる事態に。

というたいへんなバッシングにあったそうで、実際、MBC内も動揺して番組は一時中止になったようですが、一方で、「『PD手帳』支持のコミュニティー登場」ということもあったそうです。


コミュニティー「サランヘヨ(愛しています、との意)PD手帳(http: //cafe.naver.com/pdnote.cafe)」は13日、声明を発表し「国益という大前提のもと、多数の集団的行為によって、真実を究明しようとする努力さえ、売国行為に非難される状況に至った」とし「発端となった黄禹錫(ファン・ウソック)教授チームの倫理問題と真偽はほうって置いたまま、それを報じたテレビ局と該当番組だけに、非難と呪いの刃が集中し、番組が中断されたのは深刻な問題」と指摘した。

韓国では、先進国の証しとして、ノーベル賞を求める気持ちが強いそうですが、こういう「異論」が見える形で存在し得ること、また、その「異論」が、単なるへそ曲がりではなくて、事実を求める姿勢を基盤としていることの方が、ずっと重要だと思います。そういう意味では、むしろ、この事件で韓国は民主主義が機能する立派な先進国であることを証明したと言えるのではないでしょうか。

疑惑が確定してもなお黄教授を支持しMBCを批判する声もあるそうで、この熱狂的な世論には私も正直言ってあきれますが、お国柄はそれぞれ、おかしな世論もそれぞれで、どこの国でも「ええっ!?」という世論はあるものです。重要なのは、それに対して「異論」を言って真実を追及しようとするマスコミ、メディアがあるかどうかだと思います。

特に、マスコミが機能していることがうらやましい。MBCが国民的大バッシングを予想した上で強行したのかはわかりませんが、日本だったら、「事実」より「イデオロギー的予定調和」の方を優先して様子見してしまう所ではないでしょうか。