ブログとはGoogle BaseやNingのチュートリアルだったのかも

突然、Google Baseの話が発火しているが、その中でも、Zopeジャンキー日記 :Google Baseは 「ユニバーサルCMS」 だというこの記事が、一番わかりやすい。

でも、逆に言った方がもっとわかりやすいと思う。つまり「ブログはGoogle Baseに飲みこまれる」と。

ブログは、形式が固定されたデータベースだ。ブログには、「エントリ」というメインのテーブルがあって、以下のような項目が定義されている。

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これとリンクした、「コメント」とか「トラックバック」というテーブルがあって、これも同様に形式が決まっている。

そして、これを特定の並び順で表示するのがブログだ。だから、実際のデータが、MySQL等の言わゆるデータベースに保存されていても、テキストファイルとして保存されていても、ブログは特定目的のデータベースツールであると見ることができる。

普通は、データベースはやりたい仕事に合わせてテーブルを設計する。上記のような項目を業務ごとに個別に定義して使う。

それを特定の汎用的な形式に制限した所が、ブログがブレークした原因だ。データも表示形式も入力の方法も、決まったやり方に標準化されて、その特定の形式を、工夫しながらみんなで共有して使った。

だから、従来のデータベースから見ると、ブログはデータの形式を固定するという意味で、逆転の発想になっている。データの形式が固定されているので、たくさんのブログを共通の枠組みで処理することができて、RSSリーダーソーシャルブックマーク等の派生的なサービスが生まれた。

Google Baseは、それを再度逆転して、ブログの形式を自由化する。ただし、それはただの原点回帰ではない。ユーザが付加価値を作りネットワーク効果が価値を膨らませるという、WEB2.0のやり方を残したまま、制限を取り払うのだ。

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Google Baseとは、これ以外の入力項目を自由に追加できるブログだと考えればいいと思う。つまり、これが一般化した未来から見たら、「ブログとは特定の形式に制限されたGoogle Base」にしか見えないかもしれない。なぜ、そんな不便なものにみんな熱狂していたのだろうと不思議がるかもしれない。

そして、Ningも似たようなものに見える。

NingやGoogle Baseが、ブログ以前に公開されていたら、誰にもその価値がわからない。多くの人が価値を認めなければ、ネットワーク効果が得られず、結局、そんなものには価値がないことになる。未来の人が、こういうソフトのチュートリアルを作るとしたら、やはり、ブログのような汎用的に使えるデータ形式をサンプルとして、これで何ができるか見せるだろう。

我々が今、見せられていることは、実は、NingやGoogle Baseという次世代のソーシャルソフトウエアのチュートリアルなのかもしれない。データの形式が制限されていることで、世界はWEB2.0の力を学習して仮免を取得した。「さあ準備は整った。今こそ、制限をはずして路上に出よう」とこれらのサービスが呼びかけているのだろう。