田口ランディブログ: 幼児虐待ということ


どんなに虐待されても、それは「自分が悪いから」と子供は考える。子供は親に愛されないと生きていけないことを本能的に知っている。だから親を憎むことができない。親の愛を請いつづける。なので親から虐待を受けても自分から親を告発することはめったにない。なので幼児虐待は潜在化してしまう。

これ重要。

我々が想像する全ての「虐待」「暴力」は、外部から何かが自分の領域に侵入することだ。その「自分の領域」は幼児期に親によって自分が保護された体験から作られている。

幼児虐待は、それと全く別の体験になってしまう。それは「自分の領域」自体を奪われてしまう体験であり、暴力を「侵入」として体験することができる大人が受ける暴力とは別のものだ。

だから、簡単に虐待されている子供の気持ちがわかると思ってはいけない。