勝ち逃げの反対に賛成なのだ

小室直樹さんにつられてとうとうビデオニュース・ドットコムの会費を払ってしまったので、ついでにあちこち見てみたけど、全体を通して言えることとして、日本の根本の問題は「勝ち逃げ」問題ではないかと思った。

つまり、あと20年、10年、5年、なんとかこのまま逃げきってしまおうというジジイがあちこちにいることがガンであるということだ。

それがいいとも思ってなくて、それがずっと続くとも思ってないけど、「自分が定年になるまでは」「自分が死ぬまでは」なんとか持つんでないかな、という理由で、システムを動かすことに反対している人が多いようだ。

そして、これが強力なのは、おそらく大半の場合、それが正解であるということである。「勝ち逃げ」は現実的に可能であり、損得の話で言えば、それが最も合理的な選択なのだろう。そして、結局、損得が彼らの行動原理であって、それは簡単には動かせない。倫理に訴えて動かせるようなヤワな連中ではない。

だから、この勝負、勝目は無い。

僕らにできることは、「僕らは、あなたたちのようにはならない」と言うことだ。「僕らは負けてもそこにとどまるよ」と言ってやればいい。本当の豊かさは、「勝ち逃げ」の反対の中にあるのだよと。

彼らは、勝ったことは確かだが、逃げたことも確かだ。彼らが逃げたことで何を失なったのか、反面教師としてじっくり参考にさせてもらおうではないか。