思考のメモ - 感情移入


ある局面で過剰ともいえる感情移入を発揮する人々が、別の局面では恐ろしい強度で感情移入を拒否するという態度は、個人の実存の範囲でなら特にたいした問題にはならない。だが、この感情移入的な価値判断が公的政策に関する提言の中に何のカモフラージュも無く紛れ込んでいても、誰もが違和感を覚えなくなる状況には、かなり問題があるのではないだろうか。しかも、これらの「社会的」な感情移入はしばしば、文学的想像力に見られる多様性をまったく持ち合わせていないのだ。

「感情移入を客観的に制御しないと危険である」という点で、上の話(主観なんだけど、理念型の縛りを掛ける)に通じるような気がします。