book イラク建国


イラクは建前としてはこの80年,統合された近代国民国家であり,王制打倒後は共和国だったはずだ.それがいまさら民族や宗派ごとのポスト配分という近代国家以前のところから始めざるを得ず,また80年前と同様の反乱という状況に陥っている.

という現状が、80年前のイラク建国の前後の状況についてのこの本で見えてくるようです。


英国を米国,ポンドをドルにして桁を増やすと2004年におけるイラクの現状にそのまま当てはまる.イラクでは暫定政権樹立への動きが進んでいるが結局有力者や派閥にポストを配分してということに終わりそうだ.80年前との違いはスンニ派の独占ではなくシーア派クルド人が加わること.そして王家の代わりに民主主義が落下傘降下してくるくらいか.

この本を紹介している id:moleskin さんの文章ですが、「王家の代わりに民主主義」という表現が、人間の変わらぬ愚かさを象徴しているようで、歴史に学ぶことの重要性を感じさせます。