やり直しがきくのかきかないのか

飛行機はクラッシュしたら終わりだけど、文化や経済はやり直しがきくのでは?

そう解釈しましたが、これは気がつきませんでした。面白い指摘ですね。この問題は、要するに「放置しておいたらクラッシュするのは何か?」ということになるのだと思います。

確かに、損なわれるものが文化や経済ならば、(失なわれたもう○十年の後には)やり直しがきくと思います。しかし、このまま行くとクラッシュするのは、若者の国家や社会に対する根本的な信頼感ではないでしょうか。

たまたま、今回の件のリンク元経由で見た、コンディショニングコーチの立花龍司氏の話ですが


メッツのコーチをやってみてわかったのは、彼らはメジャーの選手はお金持ちだが、それ以上に野球を愛している。

こういう人がいいプレイをして金を稼ぐのは、自分が貧乏をしていても受けいれられると思います。アメリカンドリームは幻想でもあるけど、人々の社会に対する信頼感の表現でもある。アメリカにはまだ、そういう信頼感が社会の基盤にあると思うんです。

アメリカでもそれが失われつつあるのかもしれませんが、日本ではそれが一気に崩壊しているような気がします。

ミュージシャンが「お金もちだが、それ以上に音楽を愛しているミュージシャン」に見えない。仮にそう見えたとしても、自分が払ったお金でそういう彼/彼女とつながる感覚が持てない。お金が回転しない社会の根っこには、そういう不信感があると思います。

性善説ではビジネスはできないかもしれないけど、性悪な人間同士が信頼しあえるしくみが本来のビジネスモデルというものではないでしょうか。エライ人たちは、不信をベースに社会を再構築しているように見える。それは、ある日突然ポッキリ折れてしまうような気がする。

私がなんとなく想定したクラッシュはそういうイメージです。これはやり直しがきかないと思います。