金子 飛鳥: Betweenness

最近の愛聴盤。

バイオリンって子音がなくて母音だけの所が偽善者のようで嫌いだったんだけど、この人は強い音を出す。言うことはきちんと言う。そこが好き。

ニューエイジが有線のBGMと違うのはちゃんと強い音を持っているからで、そういう意味では本物のニューエイジだと思う。

それと、この人は倍音を使いこなす、倍音の魔術師だ。ひとつの全音符の中で倍音構成を自由自在に変化させる。これがバイオリンの本物の力だ。

人生にも基音と倍音があるが、この人のバイオリンは人生が基音だけでないことを気づかせてくれる。自分の人生にはこんなにも豊かな倍音が含まれていたのかと思い知らされる。

それはなかなか聞こえてこない音だ。そういう普通では聞けない音を聞かせてくれるアルバムである。