promoted by 検察

ボブ・サップがテレビで「ホーストよ。おまえはウジ虫だ。おまえなんか1分でメタメタのギトギトにやっつけてやる」と言っているのを見て、「ああ、この人は、ホーストという人がよほど憎いようだ。しかも、チャンピオンを1分で倒せる自信があるとは何て強い人なんだろう」と思ったら、その人はよほど常識が欠けていると思うでしょう。

人は立場によって、言えるセリフを限定されてしまうわけで、ACCS、個人情報流出事件で約744万円の損害賠償請求というニュースを見て、「ACCSは自分に全く責任がないと思っていて、officeさんをよほど憎んでいる」と思うのも、同様の勘違いです。

http://slashdot.jp/comments.pl?sid=161219&cid=504297より


あくまで要求ベースなんだから、まずは100ゼロで要求するのは当然。
民事訴訟である以上、過失相殺は裁判所が判断してくれるんだから。
わざわざシュリンクする必要は無い。

民事裁判を起こす時点で、試合が決まってビーストというキャラを言い渡されたサップのように、言えることが限定されてしまうわけです。

これは、非常に不幸な結果だし間違った選択だと私も思いますが、その責任が全面的にACCSにある、あるいはofficeさんにある、と思うのはちょっと近視眼的な見方だと思います。彼らは、踊らされている手駒です。「民事訴訟を起こさないという選択肢は無かったのか」とは、私も思いますが、刑事事件として立件されてしまった以上(私の予想ははずれました)、取りえるオプションは、外野が思うほどたくさんないのかもしれません。

格闘技でひどい試合があると選手も非難されますが、興行主も非難される。特に、ブロガーはその傾向が強いようです。この事件もそういう目で見てほしい。

これは、経済産業省VS検察の縄張り争いなんです。経産省は「情報セキュリティ」を産業として振興したい、検察はそれをあくまで治安の問題として、自分の側で管理したい。その主導権争いが底流にあって、検察が「善玉だろうが悪玉だろうが民間が勝手なことするな!」という意志表示をした、そのように見るべきです。

ACCSの訴訟も問題ですが、どちらかと言うと、何が問題かと言うと、検察の意のままにいいように手駒として利用されている。そういう感じがします。検察はACCSを隠れ蓑にして、背後でうまく事を進めているみたいです。検察は、刑事、民事でとにかく判例を作りたいのでしょう。

検察がネットのことを治安として扱うのは正しいのか?それで実効性のある取締りができるのか?それが疑問だし、経産省と検察の喧嘩を上に立ってコントロールする人がいないのが一番よくない。「主権は俺たちにあるから俺たちがそれをしなきゃいけない」なんていったらどちらも嫌がるでしょうが、私はそう思います。