50万人のブロガー

財政というものは難しいものとみんな思っています。確かに、財政というのはややこしくて子供のこづかいを決めるようなわけにはいきません。子供のこづかいは渡してしまったら最後、1円たりとも戻ってきませんが、財政というのはあげたお金が税収増とかインフラ整備とかいろんな形で戻ってくる。出したお金が戻ってくるんで、話がややこしいんです。ひどい時には、お金を払ったと思ったら実はその何倍ももらったことになったりする。こういうややこしい計算は素人にはわかりません。

でも、最近の財政支出というのは、だいたい誰も通らない道を作る話です。これだと出たものは戻ってきません。実に簡単な話です。出たものが出たっきりなら、子供のこづかいと同じに考えていい。雇用、雇用と言っているのは、子供がグレちゃうといけないからこづかい渡してなだめておきましょうということです。

亀井さんに投票する議員がたくさんいたんですが、だいたいその人たちは、みんな50万人にこづかい渡しましょうと言ってるわけです。小泉さんに入れた人も、政策的には亀井さんに近い人が多いといいます。そこまでみんなで言うなら仕方ない、払いましょう。と言ってもさすがにお金がないんで、一人300万でがまんしてもらいます。300万円×50万人で1兆5千億円。これだけ払いますから、ひとつだけお願いを聞いてください。

みなさんには、誰も通らない道路の代わりに、誰も読まない日記を書いてもらいます。つまり、みなさんは道路工事をやめてブロガーになってください。誰も読まなくてもかまいませんが、公費を支給しているので平日は毎日更新してもらいます。

日本という国は予算の数%で50万人のブロガーが雇えるわけで、それだけいれば、どんなトリビアな話題にも100人くらいがくいつくでしょう。凡庸なブロガーばかりでも、100人が相互リンクして、トラックバックしあって議論していれば、どんな問題にも大抵は何かアイディアが出てきます。実際には100人もいれば2〜3人は鋭い人が出てきます。ものすごい知恵の集積です。そういうコミュニティが5000個作れるわけです。

ただ、これだけの人数がリンクしあったらシステムが破綻してしまうかもしれません。人気のあるサイトでは「本日のリンク元」に10万も20万もURLが並ぶとか、とんでもないことになります。はてなtDiary.orgに2500億円づつ予算をつけますので、このへんの対策を研究してもらいましょう。これでちょうど2兆です。もうこれ以上は予算は出せないので、他のツールは自費で対応してください。

無茶苦茶な話をしていますが、予算としてはそれほど無茶苦茶な話じゃないです。50万人のブロガーが政府の予算をあちこちチェックして、2兆無駄を削減できれば帳尻があいます。ありえないことではありません。たとえできないとしても、今の日本の予算が2兆くらい増えても大した問題ではない。現実にそれ以上の無駄な予算を使ってて、それをどうするかが総裁選の争点になっているわけですから。

少なくとも数字としては、結構現実的なことなんですが、50万人のフルタイムのブロガーがどれだけの知恵と価値を創造するか考えるとワクワクしてきます。世界がビックリするようなものが生まれてきます。それを世界に残せるならば、財政が破綻したって年金が払えなくたって日本は素晴しい国だと胸をはって言えると思います。