日本ではトップとは議長でしかない

小泉総理の政策、手法に党内で反発があるのは当然なのだが、「独裁者」とか「ヒトラー」いう表現が出てくる所が面白い。

日本の組織のトップは「議長」の権限しか持てないのであって、それ以上の明確な意思で組織の方向性を左右しようとすると感情的な反発がある。これをそういう問題に見せることができれば自分たちに共感する人が多いはずだ、という本能的な読みがあるのだろう。

実際、「議長」による集団的意思決定というスタイルに執着する人は多い。抵抗勢力の政策に同意する人は少なくなっていると思うが、意思決定のスタイルではこちらを好む人の方がまだ多いような気がする。だから、ここに問題をすりかえようとすることは政治家としての優れた臭覚を示している。

一方で、ここに対する感情的な不満が蓄積している人も多いので、もし抵抗勢力の側が政策論議抜きで政治手法を争点にできれば、ひとつの「関ヶ原」になるだろう。

小泉総理も意外とそういう所には敏感だから、簡単にはそれに乗らないと思うけど。